日米貿易のデジタル化を加速する新たな提携
株式会社トレードワルツ(以下、トレードワルツ)は、米国のTrade Tech社と提携し、日米の貿易手続きを円滑化するためのプロジェクト「GRACE(Global Reliable Authorized Commerce Express)」に関する覚書(MoU)を締結しました。この取り組みは、貿易の電子化を促進し、AEO(Authorized Economic Operator)制度の利用を高めることを目的としています。
AEO制度の重要性
AEO制度は、税関が一定のセキュリティ管理とコンプライアンス体制が整った貿易事業者を認定し、通関手続きの簡素化や迅速化を提供する仕組みです。現在、日本と米国は、この制度の相互承認(MRA)を締結しており、貿易の円滑化を進めています。この背景にあるのは、両国間の信頼関係を基盤にした貿易のあり方です。
新たなプラットフォーム連携
今回の提携によって、トレードワルツのプラットフォームとTrade Techのプラットフォームが互いに接続されることが確認されました。これにより、AEO制度の認証を受けた企業が、必要な貿易関連書類のデータを即時にシームレスに共有できるシステムが構築される見込みです。両社のプラットフォームの連携によって、貿易業務の効率が大幅に向上することが期待されています。
特に、これまで紙ベースで行っていた手続きをデジタル化することで、通関業者は税関への申告を効率的に行えるようになります。これにより、輸出入のスピードが向上し、物流コストの最適化が図られるでしょう。
効率化とコスト削減への寄与
AEOの相互承認に基づき、特に通関手続きに要する時間が短縮されるため、船舶の到着前に貨物の通関を円滑に進めることが可能となります。結果として、貨物のリードタイムが削減され、企業の物流がより効率的に運営されるとともにサプライチェーン全体の効率化に寄与します。
トレードワルツの企業理念
トレードワルツの代表取締役社長、佐藤高廣氏は「この取り組みを通じて、AEO制度の利便性や価値を多くの企業に感じてもらい、事業者の裾野を広げ、日米間の貿易手続きのデジタル化を加速させることで、国際物流の最適化に貢献していきたい」と述べています。
一方、Trade TechのBryn E. Heimbeck社長は「国際的な規制遵守とサプライチェーン管理の組み合わせは、グローバルなデジタル化を促進し、日本と米国の間でデータ標準が確立されることを期待しています」とコメントしています。
トレードワルツについて
トレードワルツは、貿易整理のための情報を一元的に管理する貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を運営しています。このプラットフォームは、NTTデータなどの企業と共同で約4年間のシステム開発を経てサービス化されました。これにより、企業は貿易業務をより効率的に進めることが可能になります。
今後の展望
トレードワルツとTrade Techは、今後も安全かつ信頼性の高い貿易デジタル化に向けた取り組みを継続し、国際的なデータ連携の促進を目指します。このような新たな試みは、グローバルなサプライチェーンの強化にも寄与することでしょう。
このプロジェクトが成功することで、日米間の貿易がさらにスムーズに行われるようになることを期待しています。