障がい者のアートを地域で楽しむ新プロジェクト
近畿労働金庫(ろうきん)は、障がいのある方が活躍できる環境づくりを推進しています。2000年から様々な地域団体と協力し、アートを通じて社会との交流を図る「エイブル・アートSDGsプロジェクト」を展開してきました。これまでの取り組みは多くの人々に感動と共感を呼び起こしてきましたが、2024年度には新たな試みが加わります。
エイブル・アートSDGsプロジェクト2024の概要
2024年のプロジェクトのテーマは「ARTS in CO-OP〜生活とアートの協同〜」です。奈良県の生活協同組合「ならコープ」との連携により、障がい者アートを日常生活の中で楽しむプログラムを展開します。具体的には、奈良市と生駒市にある各店舗で、2024年10月12日から12月8日まで各種イベントが予定されています。
メインイベントの内容
- - ARTS in CO-OP: 障がいのあるアーティストがならコープ内の店舗を訪問し、印象に残ったヒトやモノを基にした作品を展示します。コープ七条では、11月16日から12月8日まで作品が展示されます。
- - にぎわいマルシェ: アーティストによる作品や福祉施設で制作された製品の販売イベントが11月16日と17日に開催されます。
- - ワークショップ de SDGs: 平和をテーマにしたウガンダのペーパービーズアクセサリー制作を通して、参加者がより深く社会問題について考える機会を提供されます。
- - お金のなんでも相談会: 近畿ろうきんの相談員が金融に関する質問に応じるイベントも予定されています。
各店舗での取り組み
ならコープの各店舗でも、障がいのあるアーティストの作品が展示されます。各店舗で「プライベート美術館」を開催し、役職員の選んだ作品が展示される予定です。展示期間は店舗によって異なり、例えばコープ朱雀では10月12日から18日、コープ学園前では10月19日から25日と続きます。
プロジェクトの背景と理念
このプロジェクトは、一般財団法人たんぽぽの家の理事長である播磨靖夫氏が提唱した「エイブル・アート」の理念と、近畿労働金庫の理念が一致したことから始まりました。2000年度からは毎年多様な活動を行い、これまでに約14万人の来場者を迎えています。
「エイブル・アート」運動は、障がい者の芸術の素晴らしさを広め、彼らが社会から排除されることのないよう努めています。また、ろうきんの理念は「人々が喜びをもって共生できる社会の実現」を掲げています。
2006年には、この取り組みが評価され、メセナアワードの文化庁長官賞を受賞しました。これは、多様な市民参加を促進し、文化的な活動を通じて地域貢献を果たすという姿勢が評価された結果です。
未来への展望
2024年度のプロジェクトでは、従来の理念を持続しつつ、「障がい者と地域」、「アートと日常」をさらに結びつけることで、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会づくりに寄与することを目指しています。国連も来年2025年を「国際協同組合年」と定め、協同組合がSDGsを実現する重要な役割を果たすことを認識しています。
近畿労働金庫は地域の団体や生協とのつながりを深化させ、エイブル・アートを通じたプロジェクトを展開することで、社会の一人一人がより豊かに共生できる環境を促進していく所存です。