インボイス制度の実態
2023-10-25 11:00:03

インボイス制度に関する実態調査結果と免税事業者の対応

インボイス制度に関する実態調査結果



最近実施された調査によると、免税事業者の73.4%がインボイス制度の登録申請を行っていないことが明らかになりました。この結果は、自営業者の間で登録に対する懸念や不安が広がっていることを示唆しています。ここでは調査の詳細と、免税事業者が直面している課題についてお伝えします。

調査の概要



調査は2023年10月10日に、20歳以上60歳未満の自営業や自由業を営む免税事業者を対象に行われ、1,150人の有効回答を得ました。この調査はFreeasyによって実施されました。

登録申請状況



調査において、インボイス登録申請をしたと回答した人はわずか26.6%で、大多数の71.7%がまだ申請していないと回答しています。この背景には、取引先からの圧力や取引の不利を恐れる気持ちが影響していると考えられます。

登録理由のトップ3


1. 取引先から求められた(44.4%)
2. 契約時に不利になる(29.1%)
3. 取引を止められることを恐れた(17.7%)

これらの結果から、競争が激しい業界では、取引条件の不利を回避するために登録申請を行う事業者が多いことがわかります。

登録しない理由


一方で、インボイスに登録しない理由のトップ3は以下の通りです。
1. メリットがない(55.0%)
2. 余計な手間がかかる(36.6%)
3. 一般消費者相手なので必要ない(32.0%)

これを見ると、多くの免税事業者がインボイス制度に対する理解不足や、実利の見込みの薄さを抱えていることが伺えます。特に、toCビジネスを中心とした事業者は、インボイスが必須でないとの認識が強いようです。

インボイス制度のメリット


税理士の菅原由一氏が指摘するように、インボイス制度にはいくつかの重要なメリットがあります。まず、消費税額を正確に計算できることと、税率の不正を防止する機能です。これは特に大規模な取引を行う事業者にとっては重要な側面ですが、メリットを理解していない事業者が多いことが問題とされています。

取り消しを検討する事業者の状況


さらに、登録申請したものの取り消しを考えている事業者も多いことがわかります。取り消しを考えている理由には、「メリットがない」との意見が圧倒的で、市場や取引の状況を見極めた結果、あえてインボイスを避ける選択をすることが増えているようです。

インボイス登録の取り消し方法


もしインボイス制度の登録を取り消したい場合、具体的には「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める届出書」を期限内に提出すれば手続きが進みます。ただし、届出書を提出しても即効性はなく、翌年の初日から適用されるため、注意が必要です。

取引先との関係を見直す重要性


インボイスを登録しないことが理由で取引先との関係性が悪化するケースもあるため、事前に十分なコミュニケーションが求められます。特に、他に選択肢がない場合には、今までの関係を維持することが重要です。これまでの信頼関係を大切にしつつ、インボイスに対する取引先の意向を考慮することが求められます。

これらの調査結果を踏まえて、免税事業者は自らのビジネスモデルや取引先との関係を見直す必要があります。インボイス制度の本質を理解し、そのメリットを最大限に活用するか、登録を避けるべきかは、各事業者の選択次第です。今後の動向に注目です。

会社情報

会社名
SMG菅原経営株式会社
住所
愛知県名古屋市中村区名駅南一丁目24番30号 名古屋三井ビル本館
電話番号
052-485-4394

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