次世代モビリティの安全を追求する小糸製作所
小糸製作所は、2030年に向けたビジョン「KOITO VISION ~人と地球の未来を照らす~」に基づき、次世代モビリティ社会の安全と安心を確保するための最新技術を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で発表しました。本展示会では、交通事故の防止や渋滞解消を目指し、特に「ドライバーサポート」「センシングサポート」「コミュニケーションサポート」の3つの技術軸に重きを置いています。
ドライバーサポート技術の革新
小糸製作所によるドライバーサポートの一環として、夜間の視界を最適化するライティング技術が初公開されました。最も注目すべきは「高精細ADB(Adaptive Driving Beam)」であり、これは従来の12個から分割数を増やして16,000個にすることで、光のコントロールが細かくなり、対向車や前方の車両の眩しさを和らげつつ、照射範囲を最大化しています。これにより歩行者や障害物の早期発見が可能となり、夜間の交通事故をゼロにすることを目指しています。
また、二輪車用のADBも新たに開発され、バンク角に応じて曲がる方向を明るく照らし、前方への視認性を向上させると同時に、前走車への眩しさを防ぐことで、二輪ライダーにとっても安全な視界を提供します。
センサ技術による周囲の把握
次に、センシングサポートの新たな取り組みとして、車載用「LiDAR」や移動体検知システム「ILLUMIERE™」が発表されました。LiDARは、レーザー光を使って360度周囲の物体までの距離を計測し、先進運転支援システムや自動運転で欠かせないセンサー技術です。短距離から長距離までのラインナップを用意し、車だけでなく産業機械にも対応することで、より高度な周囲監視を実現することを目指しています。
また、ILLUMIERE™は、屋内外で移動体の位置情報を点群データとして取得し、プライバシーに配慮しながら複数の人や車両を判別することで、交通事故の防止や商業施設での混雑状況の把握などに役立ちます。
人とクルマを繋ぐコミュニケーション技術
最後に、コミュニケーションサポート技術も紹介されました。クルマの状態やドライバーの意思を得るために、アニメーションランプが新たに搭載され、視覚的に周囲に情報を伝達することが可能になります。また、標識灯路面描画ランプは、交差点や駐車場で自車の動きを周囲に知らせる役割を果たし、安全性向上に寄与します。
JAPAN MOBILITY SHOW 2023の概要
このように、小糸製作所は次世代のモビリティ社会に向けた様々な新技術を披露しました。具体的な展開を見せることで、さらなる技術革新と安全性向上を目指す姿勢を強調しています。
- - 主催: 一般社団法人 日本自動車工業会
- - 会期: 2023年10月26日(木)~11月5日(日)
- - 会場: 東京ビッグサイト(東京都江東区有明 3-11-1)
- - オフィシャルサイト: JAPAN MOBILITY SHOW 2023