シニア層スマホ活用実態比較
2015-09-29 16:16:11
高齢化社会の新たな潮流:東南アジアと日本のシニア層のスマホ活用実態を比較調査
高齢化社会のデジタルデバイド:東南アジアと日本のシニア層のスマホ活用実態
近年、世界的に高齢化が加速する中、シニア層の生活におけるテクノロジー活用は大きな注目を集めています。インテージグループと市場調査会社シントが共同で行った9カ国(日本、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポール、スウェーデン、アメリカ、イギリス)を対象とした調査では、国によってシニア層のスマートフォン活用状況に大きな差があることが明らかになりました。
東南アジアのシニア層:スマホは生活に不可欠なツール
調査によると、タイ、ベトナム、インド、インドネシア、シンガポールの5カ国では、60%以上のシニアがスマートフォンを毎日の生活に役立つものと考えているのに対し、日本はわずか24%にとどまりました。これは、スマートフォンの普及率やインフラ整備の進み具合だけでなく、文化的背景や生活様式の違いも反映していると考えられます。
さらに、「スマートフォンは他人と自分をつなぐ」「生産性を高める」という点でも、東南アジア諸国が上位を占め、日本は最下位に位置しました。これらの結果から、東南アジアのシニア層は、スマートフォンをコミュニケーションツールや情報収集ツールとして積極的に活用していることがわかります。
買い物行動:若年層と変わらない柔軟性と価値観
買い物行動においても興味深い違いが見られました。東南アジアのシニア層は、若い世代と同様に新しいブランドを積極的に試す傾向があり、同時に社会貢献や環境問題に配慮したブランドを選ぶ傾向も強いことがわかりました。一方、日本のシニア層は、新しいブランドやエコなブランドへの関心が比較的低いという結果となりました。
これは、各国の消費文化や価値観の違いを反映していると考えられます。東南アジアでは、経済成長に伴い消費者の購買意欲が高まっており、新しい商品やサービスへの関心が強い傾向があります。また、社会問題への関心の高まりも、エコなブランドへの支持に繋がっていると考えられます。
日本のシニア層:デジタル化への対応が課題
日本の平均寿命は世界一と謳われますが、高齢化のスピードにおいてはシンガポールやタイに抜かれている現状があります。一方、今回の調査結果は、日本のシニア層のスマートフォン活用率が低いことを示しており、デジタル化への対応が課題となっています。高齢化社会の進展に伴い、シニア層へのデジタルリテラシー教育や、使いやすいデジタルサービスの開発が重要になります。
調査概要
調査テーマ: シルバー世代のオンライン行動の比較調査(インターネット調査)
対象者: 日本、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、スウェーデン、シンガポール、アメリカ、イギリスの9カ国、20~69歳以上の男女、2,700人
* 調査機関: インテージグループ、シント
まとめ
今回の調査結果から、世界中の「シルバー世代」は一様ではないことが明らかになりました。特に、スマートフォン活用率や買い物行動において、日本と東南アジア諸国との間に大きな差があることがわかりました。高齢化が進む社会において、各国のシニア層のニーズを的確に捉え、適切な商品やサービスを提供していくことが重要です。
今後、高齢化社会におけるデジタル化の進展を見据え、シニア層のデジタルリテラシー向上のための取り組みや、使いやすいデジタルサービスの開発が求められます。
会社情報
- 会社名
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Cint Japan株式会社
- 住所
- 東京都渋谷区代々木3-23-4 クローバー西新宿ビル9階
- 電話番号
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03-6300-0450