整備工場の未来を変える『ピットキューブ』
香川電力株式会社(本社:香川県高松市)は、株式会社アプティやダイキンエアテクノなどの企業と共同で整備工場専用の空調用キュービクル『ピットキューブ』を開発しました。この新製品は、7月より予約受付を開始し、2026年2月からの出荷を予定しています。整備工場で働く皆さんにとって、厳しい暑さや寒さからの保護は一層重要性を増しており、この取り組みは労働環境の改善に大きく寄与するでしょう。
開発の背景
昨今、自動車整備工場は長引く猛暑や人手不足に悩まされています。特に2025年6月からの法改正により、熱中症対策が義務化され、空調の設置が必須とされました。しかし、現場ではスペースや電源容量の不足、納期の長さ、コストのバラつきなど多くの課題が立ちはだかります。これにより、必要な設備を導入するのが難しい状況です。
『ピットキューブ』の特長
『ピットキューブ』は、これらの問題を解決するために設計されました。以下がその主な特長です。
- - 省スペース設計:寸法は幅850mm、奥行き900mm、高さ1900mmと、狭小な敷地でも導入可能。
- - 短納期:標準化・量産対応により、最短1週間の納期を実現。
- - コストダウン:中小企業でも導入しやすい価格帯に抑えました。
これらの特徴により、整備士の労働環境が大幅に向上し、熱中症のリスクも低減される見込みです。
社会的意義
整備士は国民のカーライフを支える大切な職業ですが、近年その人数は減少しています。入学者数が下がる一方、就職内定率は高いという不思議な状況が続いています。その理由の一つが過酷な労働環境です。この『ピットキューブ』が普及することで、整備士の労働環境改善だけでなく、業務効率の向上や人材の定着にもつながると期待されています。
民間企業との連携
このプロジェクトには、以下の企業が参加しています:
- - 香川電力株式会社:電気設備に関する専門知識の提供。
- - 株式会社アプティ:整備工場のワークフロー改善の情報提供。
- - ダイキンエアテクノ株式会社:空調機器の接続設計。
- - 力電株式会社:キュービクルの設計・製造。
- - 宝田電産株式会社:省スペース設計。
今後、これらの企業は連携し、全国に『ピットキューブ』の展開を進める予定です。
結論
香川電力の新たな取り組みである『ピットキューブ』は、整備工場の労働環境の改善に寄与し、整備士の働く現場を守るだけでなく、日本全体のモビリティ社会を支える重要な役割を果たします。出荷は2026年2月から開始される予定で、全国の整備工場でこの革命的な製品が活躍する日が待ち遠しいです。