新たに始まる災害時道路情報共有システムの試行運用について
災害時の道路状況を素早く把握するための新システム
国土交通省は、令和7年6月30日より、災害時の道路被災状況を迅速に報告・共有するための新たなシステムの試行運用を開始しました。このシステムは、全国の道路管理者、具体的には国、都道府県、及び政令市が活用し、災害発生時の情報をLINEアプリを介して集約・共有するものです。
システム導入の背景
近年、自然災害が激化しており、特に地震や豪雨による道路被災が多く発生しています。こうした状況の中で、災害発生時の初期段階において、道路の被災状況を迅速に把握し、対応することが求められています。これまでは、各道路管理者が個別に情報を収集し、共有するシステムが無く、情報の遅延や管理者間の連携不足が問題視されていました。
新システムの特徴
新設されたシステムでは、既存の「道路緊急ダイヤル(#9910)」のLINE版を基にしています。災害が発生すると、現場で収集した情報、例えば被災地点の位置や写真を簡単にアプリから送信し、他の管理者と迅速に共有できる仕組みです。これにより、現地の状況をリアルタイムで把握でき、迅速な対応が期待されています。
試行運用はもともと関東地域で行われていましたが、全国対象に拡大し、今後は利用者からのフィードバックを反映しながら、システムを改善していく方針です。
期待される成果
このシステムにより、道路管理者間での情報共有が円滑に行われ、特に災害発生初期における迅速な道路啓開作業や復旧計画の立案が可能になります。具体的には、被災情報のリアルタイム収集・報告を通じて、迅速な入れ替えや必要な機材の手配が行えるようになります。これは、被害を最小限に抑えるための鍵となります。
今後の取り組み
試行運用の成功を見据え、今後は、より多くの自治体や関係機関の参加を促進し、広く利用できるような仕組みを整えることが目指されます。また、実際の運用を通じて得た収集データや運用経験は、災害対策のさらなる向上に繋がるでしょう。
国土交通省と道路管理者の皆様の取り組みが、地域全体の防災力強化に寄与することを期待しています。今後の展開に注目です。