地震・台風にも強い!耐震プレキャストコンクリート塀「塀のねっこ」開発の新展開
近年、多発する自然災害への備えとして、安心・安全な構造物が求められています。そんな中、株式会社コンクリートライセンス機構が開発した耐震プレキャストコンクリート塀「塀のねっこ」が、金沢工業大学との共同研究契約を締結し、最終開発へと進むことが発表されました。この塀は、ブロック塀事故のリスクを軽減するために設計され、従来の問題点を克服した製品です。
「塀のねっこ」の特長
「塀のねっこ」は、地震や風の影響に強く作られていて、次のような特長があります。
- - 一体製品: 敷地の基礎部分と一体化されており、強固な構造を実現しています。
- - 倒れない: 震度6や風速46m/secの環境下でも倒れにくい仕様です。
- - 耐火性能: 火災からの延焼を防ぐ効果があります。
- - 美観性能: プレキャストコンクリートの魅力的な輪郭を活かしたデザインです。
- - 百年設計: 長期間の利用が可能で、環境に優しい設計です。
- - 人手対策: 工場での製造後、クレーンでの設置が可能で作業が容易です。
- - 多彩な用途: フェンス基礎や土留めとしても利用できる柔軟性が特徴です。
共同研究の目的
金沢工業大学との連携により、実際の地震波形を模した振動テーブルでのテストを行い、製品が正しく設計されているかを検証します。この振動実験は製造設備が完成する8月に予定されており、クラウドファンディングを通じて資金を調達する計画です。これにより、「塀のねっこ」が科学的に証明された耐震性を持つことを証明し、安全性を高めます。
開発経緯と背景
開発のスタートは2016年。最初の試作品が完成した翌日に熊本地震が発生し、ブロック塀による被害が報告されました。このことが開発を急がせる要因となりました。以後、実証実験を重ねながら、2018年には大阪地震の被害を受け、塀の倒壊による事故のニュースが流れる中、子どもたちを守るべく急ピッチでの開発が行われました。
特に印象的なのが、著者の9歳になる娘の一言です。地震対策が必要なことを子どもに問われ、開発の方向性を改めて見直すきっかけとなりました。このような個人的な経験が、開発の大きな原動力となったのです。
発売予定
製品は2023年9月ごろのリリースが予定されています。官庁や民間企業からの関心も増しており、製造・販売代理店も同時に募集中です。今後の流れとしては、振動実験を経て第三者機関での評定が行われ、最終的に製品がリリースされる予定となっています。
代表取締役の思い
株式会社コンクリートライセンス機構の代表取締役、池永征司氏は、ブロック塀の倒壊事故に対する危機感を抱いており、「塀のねっこ」の開発に力を注いでいます。彼のポジティブなビジョンのもと、安心安全な社会づくりが目指されています。株式会社コンクリートライセンス機構は、地域社会を守る製品を提供することを使命としています。