入道埼灯台を活用した新たな観光資源の造成
2024年9月18日、男鹿市にて入道埼灯台を活用した観光プログラムの一環として、「灯台×ジオパーク×郷土料理」に関するワークショップが開催されました。このワークショップでは、入道埼灯台の利活用を促進し、新しい観光資源を築こうという目的が掲げられています。特に、灯台とその周辺の地質学的な特徴、そして地元の特産品を生かした料理の体験が重要なテーマとなりました。
ワークショップの内容
このワークショップは、8月28日に行われた有識者検討会の内容をもとに組織されました。集まったのは、男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会副会長の丸山岳人氏をはじめ、秋田大学名誉教授の林信太郎氏、フードコーディネーターのたなかのりこ氏といった専門家たちです。彼らは入道埼灯台とジオパークの魅力を引き出しながら、観光プログラムを具体化するための議論を交わしました。
最初に参加者は、リニューアルされた入道埼灯台の資料館を訪れ、灯台の役割や歴史を学びました。その後、実際に灯台へ登り、周囲の美しい景色や雄大なジオパークの全貌を堪能しました。丸山副会長が灯台が「海岸段丘」の上に位置し、北緯40度線の近くに存在していることを説明し、参加者たちは地理的な特異性に感銘を受けました。
また、入道埼灯台の周辺には、特別な石「溶結凝灰岩」を確認する時間も設けられ、林名誉教授がその生成過程を解説しました。この貴重な石は約7000万年前のもので、恐竜時代の地球の歴史を表す象徴として参加者にロマンを感じさせました。彼らは直接その石を手に取り、その重量や硬さを感じながら、これらが持つ歴史的な意義についても考える機会を得ました。
石焼料理の食べ比べ
ワークショップは、その後男鹿ホテルに移動し、郷土料理の石焼料理の食べ比べが行われました。男鹿ホテルは1963年から地区の名物料理として石焼料理を提供しており、参加者はその調理法の違いを実際に体験しました。
通常、石焼料理は生の魚を高温の「溶結凝灰岩」で調理しますが、今回は新たに常温の水での調理方法も試みました。この実験は、昔の人々が浜辺でどのように料理をしていたのかを探る一環として行われました。参加者からは、両者の味に大きな差はないという意見が挙がりましたが、石の数や調理時間について考慮すると、従来の方法がより効率的であるとの結論に至りました。
今後の展望
ワークショップを通じて、入道埼灯台とジオパークが結びついた新たな観光プランの可能性が示されました。今後、2024年11月3日には一般参加者を対象にしたモニターツアーを開催する予定です。この日には「入道埼灯台石焼フェス」も同時に行われ、観光客が地域の魅力を体感できる素晴らしい機会となるでしょう。
今回の取り組みは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施されており、灯台の利活用モデルとして地域振興に資することが期待されています。今後の情報は、海と日本プロジェクト公式ホームページや入道埼灯台の関連サイトで随時更新される予定です。