サイボウズが示した大企業のIT戦略の現状
サイボウズ株式会社が実施した新たな調査によれば、従業員数1,000名以上の大企業においてIT責任者が抱える課題とIT戦略の位置づけについての実態が明らかになりました。この調査は、経営戦略とIT戦略の関係性を深く掘り下げ、企業が直面している課題をどのように解決しようとしているかを探るものです。
大企業が直面する主要な経営課題
調査において、企業が特に重視している経営課題として「収益性の向上」(82%)、「生産性の向上」(79%)、そして「コスト削減の実現」(69%)が挙げられました。これらの課題は、利益拡大と効率化を求める中で、IT部門の役割がより重要になる理由を示しています。IT部門は、運用や保守にとどまらず、経営課題の解決に積極的に貢献することが求められています。
特に、AIを活用した業務プロセスの変革やサイバーセキュリティの強化、新技術の探索がIT責任者の間で注目を集めており、重要な施策として位置づけられています。
IT戦略と経営戦略の関係
調査の結果、IT戦略が経営戦略内に位置づけられている企業は54%にのぼり、過半数を占めていることが明らかになりました。一方で、IT戦略が個別に位置づけられている企業は38%、明示されたIT戦略がない企業も8%あることがわかりました。このことから、企業ごとに経営戦略とIT戦略の関係にはかなりの違いが見られることが浮き彫りになりました。
IT戦略が経営戦略内にある企業は、全社的なIT施策を実施する傾向があり、2026年度のIT予算の増加を見込んでいます。特に注目すべきは、予算増加が「111%~125%」であると見込む企業が多いことです。このことから、IT戦略を経営戦略に統合している企業は、将来的な投資に対しても前向きであることが示されています。
IT予算の増額傾向
2026年度のIT予算は、全体的に増額傾向にあり、企業が重視する投資先にはセキュリティ対策や生成AIが挙げられています。調査によると、IT戦略が経営戦略に位置づけられた企業では、特に「セキュリティ関連」や「生成AI」への投資意欲が高い傾向が見られました。一方、個別に位置づけられている企業では特定の業務やテーマに限られた投資がなされる傾向が強いようです。
IT戦略の全社展開
さらに、IT戦略が経営戦略内に位置づけられている企業では、IT施策が全社的に横断的に展開される傾向があります。複数部門にまたがる共通化や標準化が進みやすく、IT施策が全体の業務効率化に寄与しています。逆に、IT戦略が個別に位置づけられている企業では、特定の業務テーマに限ったアプローチが中心となっていることが指摘されています。
IT責任者の関心
調査の最後では、IT責任者が高い関心を持つテーマも明らかになりました。業務プロセスの変革やサイバーセキュリティ対策、新技術の導入などがトップに挙がっており、これらは経営戦略とどう整合させていくかが踏まえられています。
このように、サイボウズの調査によって、大企業の経営戦略とIT戦略の位置づけの違いが明確にされ、企業が直面する経営課題に対するアプローチがどのように進化しているのかを理解する上で有益な情報が提供されました。