Craifと東京慈恵会医科大学が共同研究を発表
最近、Craif株式会社は第65回日本肺癌学会学術集会において、東京慈恵会医科大学の藤田准教授らと共同で実施した肺がん早期発見に関する研究成果を発表しました。この研究は、尿中に存在するマイクロRNAを用いて肺がんを早期に診断するための新たな検査法を開発することを目的としています。
研究の背景
肺がんは日本国内でも高い罹患率を持つ癌の一つであり、その早期発見が治療効果を大きく左右します。従来の検査法では高い感度を示せないことが多く、早期発見が難しいのが現状です。そこで、Craifは高感度かつ非侵襲的なアプローチとして、尿中のマイクロRNAに着目しました。
研究の具体的な取り組み
本研究では、278例の肺がん患者と125例の健康な対照者から尿を採取し、エクソソームからマイクロRNAを抽出。その後、次世代シークエンサーを利用して、尿中マイクロRNAの広範な解析を行いました。さらに、機械学習を用いて、最適なマイクロRNAを選定し、肺がん予測モデルを構築。検証の結果、AUC値は0.951、感度88.6%、特異度87.1%という高精度な診断が可能であることが確認されました。
成果の意義
興味深いことに、この予測モデルは早期ステージの肺がん症例の半数以上をカバーし、異なる組織型である非小細胞がんと小細胞がんに対しても高い感度を示しました。さらに、術後の再発を示すマーカーとしての臨床応用の可能性も示唆されており、特に手術前後で変動するマイクロRNAに焦点を当てた解析も行われました。手術後に低下し、再発時に再度上昇するマイクロRNAの挙動は、がん再発の予測に貢献する可能性があります。
研究の展望とCraifの使命
Craifは、がんの予防及び早期発見を目指し、今回の研究成果を基にさらなる開発を進める意向です。特に、