新時代のリアルタイム触覚伝送技術が誕生
神奈川県横浜市に本社を構える株式会社ミライセンスと、東京都千代田区に本社を持つNTTコミュニケーションズが、協働で画期的な技術の実証実験を行います。この実験は、2024年10月9日から11日にかけて実施され、世界初となるリアルタイムで視覚・聴覚・触力覚を伝送する試みです。
1. 実証実験の背景
近年、少子高齢化や雇用不足が深刻な問題となっている中、遠隔医療支援や専門知識の循環が求められていますが、立地条件や人材資源によってサービスが行き届かない地域もあります。これまでの映像や音声によるコミュニケーションでは難しい場面が多々存在し、正確な指示や感覚を伝える必要性が高まっていました。そこで、ミライセンスが開発した3DHaptics技術がその解決策の一端を担うこととなります。
2. 実証実験の具体的内容
実証実験では、参加者が3DHapticsデバイスを手に取り、ナビゲーターと共に「方向感」の伝送体験を通じたシンクロ作業に挑戦します。このデバイスは、特別に設計された振動パターンを用いて、リアルな触覚フィードバックを提供。ナビゲーターは遠隔地からリアルタイムで指示しながら、オペレーターが商品棚に正確に誘導される様子が実証されます。
実験は、IOWN APNという超低遅延通信を利用して行われ、実際に数十キロ離れた環境での正確な誘導が可能かどうかが検証されます。この一連のプロセスは、参加者に新たなコミュニケーションの可能性を提供するものとなるでしょう。
3. 各社の役割
実証実験には、NTT Comとミライセンスの双方が重要な役割を果たします。ミライセンスは、3DHapticsデバイスの設計・提供と体験設計を担当し、NTT Comはその通信インフラを構築します。この連携によって、技術力を活かした新たなサービスの創造が期待されます。
4. 今後の展開
実証実験の結果を受けて、福祉や物流、小売業をはじめとしたさまざまな分野での応用可能性が探求されます。この革新技術は、業界ごとのニーズに応じた形で社会へ実装されていく計画です。
5. 展示情報
「docomo business Forum'24」においてもこの実証実験が紹介される予定です。イベントは2024年10月10日から11日に東京で開催され、その詳細は公式ウェブサイトから確認することができます。新たな技術の実体験を通じて、双方向のコミュニケーションの未来を感じていただける内容となっています。参加者は無料で事前登録が必要です。
この取り組みにより、今後の医療や産業界でのコミュニケーションがよりスムーズになることが期待され、触覚技術のさらなる普及へとつながることでしょう。