リーガルテック社とAIデータ社が提案する新知財運用モデルの全貌

リーガルテック社とAIデータ社が提唱する新たな知財運用モデル

概要

リーガルテック株式会社とAIデータ株式会社は、日本のフィジカルAI（ロボット）技術をグローバルに展開するための新しい知財運用モデル、「IP as a Service（IPaaS）」を共同発表しました。このモデルは、ロボット開発過程で生じる発明やノウハウ、制御データを体系的に管理し、保護から販売、さらには改良に至るまでのプロセスを円滑に行うことを目的としています。

背景

近年、ロボット技術が急速に進化していますが、それに伴い生み出される設計ノウハウや制御データは、有効に活用されていないケースが少なくありません。従来のものでは、技術の再利用や商業化が難しいため、テクノロジーの成果が埋もれてしまうことが多いのです。リーガルテックとAIデータは、こうした状況を打破すべく、発明から販売までの知財プロセスの連続的な運用を可能にするIPaaSモデルを打ち出しました。

課題

この新モデルでは、いくつかの課題を解決することを目指しています。まず、ロボット開発で得られる知見が知財化・事業化されにくく、収益化よりも開発業務が優先されることがあります。また、特許化やライセンス化といった各工程が分断されているため、整備が必要なデータ整理にも多大な労力が求められています。

解決策

IPaaSモデルは、以下の自動知財ループを提供します：
1. 発明：ロボットの設計や動作に関する知見を抽出します。
2. 保護：Tokkyo.Aiを用いて特許化・テンプレート化します。
3. 販売：APIや文書形式のSaaSライセンスとして市場提供します。
4. 利用ログ：VDR設定で導入企業の使用履歴を管理し、ROIを可視化します。
5. 改良：得られたデータを次の発明工程に反映させます。

このプロセスにより、無形資産の持続的な利用が可能となり、ロボット技術のさらなる成長が期待できます。

AI Robotics on IDXのデータ基盤

これに対応するため、AIデータ株式会社は、知財テンプレート化に必要な制御データや動作ログを一元的に管理するデータ基盤を整えています。特に、技術評価やデューデリジェンスに必要な情報を安全に共有できるデータルーム機能も備え、コンタミネーション防止も考慮されています。これにより、M&Aや資金調達の際の利用が見込まれています。

期待される効果

新しい知財運用モデルの導入により、以下のような効果が期待されます：

- 発明、保護、販売が連携し、ロボット技術の活用環境が整備される。
- 無形資産がテンプレートとして再利用可能となり、技術価値を説明しやすくなる。
- 資金調達やアライアンスにおいて、必要な技術評価が効率化され、中小企業の負荷軽減に寄与します。

今後の展開

今後は、製造業向けの協働ロボット、高齢者向けの介護ロボット、配送・清掃ロボットなど、多様な分野での導入を検討しています。まず日本国内のロボット企業に導入し、その実績をもとにアジアや欧米市場への展開をも視野に入れる計画です。リーガルテックとAIデータの新たな挑戦が、ロボット産業における知財の運用を変える鍵を握っているかもしれません。