2024年度上半期の賃上げ意識調査結果
Indeedが実施した「賃上げに関する意識調査」では、日本の正社員2,400名を対象に、2024年度の賃上げ実態とその希望について調査が行われました。この調査は、最近の物価高と人手不足感から、春闘において高水準の賃上げが期待される中、働く人々の賃金に対する意識を明らかにする目的で実施されました。
調査結果の概要
調査の結果、2024年度の上半期における平均賃上げ率は+1.7%でした。これは昨年(2023年)に想定されていた+1.6%とほぼ一致していますが、賃上げを実感した正社員は半数(51.9%)にとどまっています。さらに、賃上げ率に満足しているのは49.7%と、満足者は半数未満という実態が浮かび上がりました。
今後の賃上げ希望
正社員の次回賃金改定における希望賃上げ率は平均+7.6%に達し、実際の賃上げ率の4.4倍に上ります。年代別に見ると、40代の希望賃上げ率は最も高く、+7.9%です。また、賃上げを求める主な理由は「物価の上昇による生活費の負担増加」が全世代で45%を占めています。このように、賃金上昇が必要とされる背景には、上がり続ける生活費が関係しています。
賃上げへの取り組み
労働者の中には「仕事で成果を出す」ことを賃上げのための取り組みとして挙げる人が35%いる一方、「特に何もしようと思わない」と答える人も30.9%存在します。これは、労働環境における賃金反映に対する諦めを感じている人が多いことを示しています。
物価高が与える影響
2024年度上半期の賃上げを受けて、物価高の影響が小さくなったと感じる人は18%にとどまり、一方で物価高の影響が大きくなったと感じる人は32.9%にも上ります。このことから、賃上げが物価上昇についていかない状況がうかがえます。
質問を通して見えた今後の課題
調査から明らかになったのは、賃金上昇が多くの人々に行き渡っていないという現状です。Indeed Hiring Labのエコノミスト、青木雄介氏は「賃上げが広範囲かつ十分な規模で労働者全体に行き渡っていない」とコメントしています。
今後、賃上げに向けた施策がどのように進むのか注目です。
結論
Indeedによる賃上げに関する意識調査は、日本の労働市場における現実を浮き彫りにしました。賃上げの実態と、それに対する希望との間に大きな溝が存在し、今後の動向が非常に気になる内容となっています。日本の正社員が求める賃上げには、経済状況に応じた現実的な対策が必要であることが浮き彫りになったと言えるでしょう。