J.D. パワーの2024年調査発表
2024年11月21日、米国の調査・コンサルティング会社J.D. パワーが、最新の米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査を公表しました。この調査は、非常に急成長するデジタル投資環境における、顧客のニーズを把握し、資産運用会社がどれだけそれに応えられているかを測定する重要な指標となっています。
調査の概要
この調査は、フルサービス型と自己決定型の個人投資家を対象に行われ、モバイルアプリやウェブサイトなどのデジタルチャネルに関する顧客の満足度を詳しく分析しています。今年の調査結果によれば、顧客の期待は、単なる取引や商品から、よりパーソナライズされたエンゲージメントへと進化していることが分かります。
特に、デジタルチャネルを通じて、資産運用会社が提供する個々の財務目標に合わせたガイダンスを求める顧客が増加しており、この変化に対応できる企業が成功を収めることが期待されます。実際、調査の結果、基本的な機能を超えた付加価値を提供することが求められている状況が浮き彫りとなりました。
基本機能は満たしているが
調査によれば、フルサービス型モバイルアプリにおいては70%以上の顧客が、高品質な印象と基本的な機能を評価しています。しかし、実際に価値あるデジタル体験を提供できているのは、フルサービス型アプリのわずか18%、自己決定型アプリにいたっては14%と、期待されたほどではありません。
顧客の44%が、資産運用のウェブサイトやアプリが自分の財務目標達成に役立つことを期待しており、これは昨年の調査結果からの上昇を示しています。また、30%の顧客がまだこの期待には満足していないと感じています。
パーソナライズ化の重要性
顧客満足度を高めるためには、パーソナライズされた体験の提供が不可欠です。具体的には、顧客が求める情報を容易に見つけ、必要なガイダンスをしっかりと受けられる体験が、顧客の満足度を大きく向上させる要因とされています。
デジタル体験が標準を超えることで、フルサービス型と自己決定型両方の顧客満足度は顕著に上昇しましたが、データの安全性に関する顧客の認識もまた、総合満足度に影響を与える重要なファクターです。
今後の課題
J.D. パワーのエグゼクティブによると、投資家が必要とする情報へのアクセスや、パーソナライズされたサポートが提供できない企業は、市場競争で不利になると言います。顧客が望む高次の価値を提供できるよう、企業はさらなる努力が求められています。
結論
この調査は、デジタル体験が顧客満足度にどのように影響を与えているのか、そして企業がそれにどのように応えていくべきかを示す貴重なデータを提供しています。投資家の期待が高まる中で、資産運用会社はそのニーズに応えるための戦略を再考する必要があるでしょう。今後の動向に注目が集まります。