新たに施行される中国の改正刑法とは
2024年3月1日、中国において新たに改正された刑法が施行されることが決まりました。この改正が持つ意味や影響について、具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。
改正の背景
この改正は、2023年12月29日に中国の全国人民代表大会常務委員会において採択されたものです。特に注目されるのは、贈収賄罪の処罰規定に関する改正です。従来、贈賄と収賄の法定刑には不均衡があり、実質的な取締りの厳しさにも差が見られました。今回の改正によって、双方の贈賄および収賄者に対する法的な対応が整えられました。
主な改正ポイント
改正された刑法では、贈賄罪に関する法定刑を3段階に分類しています。
1.
3年以下の有期懲役
2.
3年以上10年以下の有期懲役
3.
10年以上から無期懲役
この改正は、贈賄罪の厳罰化を進めるものであり、特定の悪質なケースにはさらに加重処罰が適用されることとなります。
加重処罰の対象
改正刑法では、以下のような事情において贈賄を行った場合、加重処罰が適用されることが明記されています。
- - 複数回にわたって贈賄を行った場合
- - 国家の仕事に関与する者が贈賄をした場合
- - 重要なプロジェクトにおいて贈賄をした場合
- - 職務や昇進のために贈賄した場合
- - 行政や司法関係への贈賄
- - 社会的に重要な分野での贈賄(例:教育、医療など)
- - 違法な所得で贈賄をした場合
これにより、検察当局はより一層厳しい姿勢で贈賄行為の取締りを進めることになります。
企業への影響
この改正は特に民間企業に対しても強い影響を及ぼすことが予想されています。従来は国有企業のみに適用されていた背任行為の規制が、今後は民営企業にも適用されるようになりました。つまり、民営企業は新たに求められるコンプライアンス体制の確立が必要となります。
企業が行うべき対策
日本の企業が中国に子会社を持つ場合、文化や慣習の違いを考慮しつつ、法的リスクを軽減するための戦略を考える必要があります。具体的には、以下のような対策が求められるでしょう。
- - 法令順守の状況を定期的に監査する
- - 内部統制システムの整備と更新
- - 社員へのコンプライアンス研修の実施
これらの対策を通じて、法律に基づいた持続可能なビジネス活動を推進することが期待されます。
まとめ
中国における改正刑法は、贈賄犯罪に対する厳格な規制を旨としています。特に民間企業においては、これからのコンプライアンス管理が非常に重要となるでしょう。改正の詳細や影響については、新日本法規のウェブサイトでご確認いただけます。