CLT工法と持続可能な建築
2023-05-11 09:00:01

環境配慮と未来へつなげるCLT工法:株式会社オーヌキの挑戦

環境に優しいCLT工法を採用したホテルが茨城県日立市に誕生



近年、東京五輪の関連施設などでも採用され注目を集めるCLT工法。この環境に配慮した画期的な建築工法を、茨城県日立市に建設されたホテル「ファール・プー・ラ・サンテ」が採用しました。同ホテルを建設したのは、1940年創業の株式会社オーヌキです。同社にとってCLT工法の採用は初めての試みであり、その取り組みは、持続可能な社会に向けた企業姿勢を示すものと言えます。

CLT工法とは?



CLT(Cross Laminated Timber)とは、木材を繊維方向が直交するように何層にも重ね合わせて接着したパネル材のこと。従来の木造建築に比べて、施工が容易で頑丈、工期短縮が可能、軽量で基礎工事が簡素化できるなど、多くのメリットがあります。欧米ではマンションや商業施設などで広く普及しています。

CLT工法の大きな特徴は、その環境への配慮です。木材はCO2を吸収するため、CLTを使用することで建築時のCO2排出量を削減できます。一般的に25~40%の削減効果があるとされています。また、単位面積当たりの木材使用量が多いことから、日本の森林資源の有効活用にも繋がります。さらに、高い耐震性と安定性も持ち合わせているため、自然災害にも強い建築物を実現できます。デザインの自由度も高く、建築家の創造性を妨げません。

株式会社オーヌキの挑戦



株式会社オーヌキは、長年にわたり木材を扱う企業として、森林環境の変化を肌で感じてきました。「木を植え、育て、伐採し、活用する」という資源の循環利用を重視し、CLT工法への挑戦を決断しました。同社の「Design Wood®」事業で培ってきた木造住宅のノウハウを活かし、人体に優しい無添加素材を内装にも使用した、環境と健康に配慮したホテルが誕生しました。

ファール・プー・ラ・サンテ:CLT工法が織りなす空間



地上3階建ての「ファール・プー・ラ・サンテ」は、1階が多目的ホール、2~3階が宿泊施設となっています。多目的ホールは研修など様々な用途に利用でき、宿泊施設は快適な空間を提供します。CLT工法ならではの、温かみのある空間と、無添加素材による安心感が魅力です。2023年5月中旬に完成予定で、竣工後は一般見学も可能です。

脱炭素社会に向けた取り組み



2050年カーボンニュートラル実現に向け、国や自治体、企業は様々な取り組みを進めています。CLT工法は、脱炭素社会の実現に大きく貢献できる技術として注目されており、日本郵便や出光興産など大手企業も木造店舗建設にCLT工法を採用するなど、その普及は加速しています。株式会社オーヌキは、CLT工法を非居住施設向けにも積極的に提案し、環境に配慮した建築の選択肢を広げようとしています。

まとめ



株式会社オーヌキが手がけた「ファール・プー・ラ・サンテ」は、CLT工法の可能性を示すだけでなく、企業の社会貢献の姿勢も示す重要な事例です。環境問題への意識の高まりとともに、CLT工法は今後ますます注目を集め、建築業界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

会社情報

会社名
株式会社オーヌキ
住所
茨城県東海村舟石川駅西3-11-14
電話番号
029-282-1874

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