池田家文庫の岡山藩政史料がウェブ公開
2025年3月30日、東京大学史料編纂所は岡山大学附属図書館との連携により、岡山藩政史料である池田家文庫の画像約1万コマを「Hi-CAT Plus」データベースからウェブ公開することを発表しました。岡山大学はこのプロジェクトにおいて重要なパートナーとして位置づけられ、2025年度にはさらに4千コマの追加が計画されています。
池田家文庫の概要
池田家文庫は、岡山藩を治めていた池田家に関する膨大かつ貴重な史料群です。中世から近代にかけて積み上げられたこのコレクションは、約10万点にも及び、文書や書籍、漢籍など多岐にわたります。特に、近世や幕末維新期につながる歴史的な資産が多く含まれています。
今回のウェブ公開は、これまで限定的にしか行われていなかったため、多くの研究者や興味を持つ人々にとって福音となるでしょう。この取り組みにより、岡山藩の研究は新たな局面を迎えることが期待されています。
研究の背景と意義
東京大学史料編纂所と岡山大学の共同研究によって、池田家文庫内の幕末期史料の分析が進められています。このプロジェクトは2025年1月に締結された覚書に基づいており、共同研究によるデータ整備が行われています。今回のウェブ公開は、先行して東京大学により撮影され、質の高い画像が提供されることで、歴史研究の質を向上させることが目的です。
特に明治維新における池田家の役割や、岡山藩の歴史的背景を理解するための貴重な資料として位置づけられています。画像の公開を通じて、専門家以外の人々にも広く利用可能となり、歴史学の発展にも寄与することが期待されます。
今後の展望
公開予定の追加4千コマは、主に織豊期の史料を含むものです。このように簡単にアクセスできる形での公開は、岡山藩の歴史に関する研究をさらに推進し、学術界にとっても大きな意味を持つと言えるでしょう。
また、こうした取り組みは、岡山大学が地域に根ざした研究機関としての役割を果たす一助ともなります。地域の歴史を掘り起こし、次世代に伝えることができる貴重な機会です。
まとめ
池田家文庫の資料がウェブ公開されたことは、岡山藩研究の新たな一歩を意味します。研究者たちがこのプロジェクトに取り組むことで、さらなる史料の発見と分析につながり、岡山の歴史が更に明るみに出ることが期待されます。これが未来の研究の礎となり、岡山大学と東京大学の共同研究がもたらす成果に大いに期待したいところです。