次世代通信基盤の検証
2026-02-09 10:37:39

伊藤忠テクノソリューションズとMRIが実施した次世代通信基盤の検証プロジェクト

近年のAI技術の進化により、私たちの暮らしはますますデジタル化が進んでいます。しかし、その背後には、膨大な計算処理を支えるためのデータセンター(DC)の運営が不可欠です。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、2025年に向けてのデジタルインフラの強化を目指し、分散型データセンターの実現に向けた実証実験を実施しました。具体的には、株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)との共同で、次世代通信インフラ「オール光ネットワーク」(All Photonics Network、APN)と分散型データベース「TiDB」を組み合わせた新しい基盤の検証を進めました。

今日、デジタルデータの急増は企業に多大な電力消費を引き起こしており、環境への負担が大きくなっています。CTCは、持続可能な社会に向けてデータセンターを全国に分散させる取り組みを行っています。しかし、その際の通信インフラには情報の遅延や処理能力の限界といった課題が存在しました。これに対処するため、この検証では、APNによる低遅延でのデータ通信を実現しました。

APNは、光信号を活用して電気信号からの変換を減少させ、結果として低電力の通信が可能になるという特長があります。これにより、通信の大容量化や高速化が期待され、特に災害時のデータ復旧や環境負荷軽減に貢献します。

今回の検証では、70km圏内での接続を想定した2つの仮想データセンターと3つのリージョンを構築しました。使用したデータベースはTiDBで、これはオープンソースの分散型SQLデータベースです。TiDBは、高可用性と拡張性を備えており、データを小さく分割して複数のデータベース間での複製が可能です。これにより、実際の運用においても整合性を保持したまま自動的に同期できるという特徴があります。

このテストは、特にAPN環境での動作性と性能に着目し、以下の成果を上げました。

1. APN環境での動作・性能検証: TiDBは、低遅延通信で正常に機能し、複数のリージョン間でのデータの更新が遅延なく同期されることが確認されました。

2. 冗長化・可用性: TiDBの冗長化構成により、一つのリージョンに障害が発生した場合でも他の地域でサービスを継続できることが確認されたことが挙げられます。障害が生じると、一時的にクエリの実行が中断されるものの、その復旧時間はわずか数秒で済むという結果が得られました。

検証が成功したことを受け、来年度はさらに本格的な実証環境での検証が予定されています。ダークファイバーを利用した長距離伝送の評価や、実践的な運用を想定したシナリオに基づく技術評価も行われる予定です。

今後もCTCとMRIの2社は、分散型データセンターの実現に向けて積極的に新たな技術の開発に取り組み、商用化も視野に入れた検証を続けていく方針です。この取り組みが実現すれば、通信や金融、医療など、多くの分野でリアルタイムのデータ処理が可能になり、私たちの生活全般においてもその恩恵を受けることが期待されます。

まとめ


デジタル社会の発展に伴い要求される新しい通信基盤の開発は、既存の技術を基にしながらも進化し続けています。APNとTiDBの組み合わせによる実証実験は、まさにその一例となり、今後のデータセンターの在り方を示唆するものとして注目されています。企業が協力して進めるこのプロジェクトから目が離せません。


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会社情報

会社名
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
住所
東京都港区虎ノ門4-1-1神谷町トラストタワー
電話番号
03-6403-6000

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