豊岡市が明かす地域おこし協力隊の採用成功の秘訣
兵庫県の豊岡市は、地域おこし協力隊制度を通じて、地方創生に大きく貢献してきました。この制度は、人口減少と少子高齢化といった厳しい問題に直面する地方自治体にとって、必要な人材を都市部から呼び寄せ、地域活性化を図るための施策です。
豊岡市はこの地域おこし協力隊制度を2014年から導入し、2024年には累計100名の隊員を受け入れました。特筆すべきは、任期満了後の定住率が87.5%に達している点で、これは豊岡市が協力隊員が地域に定着するための成功した手法を持っていることを示しています。
10の心得の策定と背景
豊岡市は、株式会社カヤックが運営する移住支援サービス「SMOUT」と連携し、地域おこし協力隊のミスマッチを防ぐための「幸せな採用10の心得」をまとめました。この心得は、徳島大学大学院の田口太郎教授の監修のもとに策定されました。
この指針は、地域おこし協力隊-地域住民-地方公共団体の三方が幸せでいられるために必要な要素として、豊岡市の豊富な経験を元に構築されています。特に、地元の特別天然記念物であるコウノトリをモチーフにデザインされ、地域の愛着を感じる工夫もされています。
各心得の具体的な内容
「10の心得」は以下のような項目から構成されています。
1.
しっくりきとるんか:受け入れ目的と意志確認
2.
あんしんだっちゃ!:地域が連携し受け入れ体制を構築
3.
わいらぁの仲間に思いやり:卒業後も考慮した採用
4.
せんめいにしてみんちゃー!:現地訪問による選考
5.
なんとなくは、あっきゃ〜へん:本音のコミュニケーション
6.
まっとくでー:移住準備の十分な期間設定
7.
っながりでゃぁーじ:サポート体制を整備
8.
ちょうどえぇ:活動環境の整備
9.
ん?! もう卒業?:定着のための卒業後サポート
10.
ぐっとくる出会い:幸せなマッチングの追求
これらの心得は、地域おこし協力隊員が自身の役割や地域に対する理解を深めるために不可欠な要素として位置付けられています。
今後の展開
兵庫県豊岡市とカヤックは、2024年12月6日に「地域おこし協力隊の幸せな採用10の心得」をテーマにしたオンラインセミナーを開催します。このセミナーは、全国の採用担当者にとって貴重な情報源となることでしょう。参加者は、豊岡市の成功事例や心得について専門家から直接学ぶことができます。
また、豊岡市は新たな地域おこし協力隊の募集も行う予定で、さらなる地域活性化を目指しています。地域おこし協力隊の活動が進むことで、豊岡市はもちろん、全国の自治体でも活性化が促されることが期待されています。
本記事を通じて、豊岡市の取り組みや成功の秘訣が他の地域にも波及し、より多くの地域が「三方よし」の理念を実現することを願っています。