コロナを超えた飲食店での新たな婚活革命とは?
2024年4月、「あんグループ」はそのユニークなビジネスモデルで全国的な注目を集めています。独身証明書を提出することを条件に、飲食店で行う婚活イベントを展開し、わずか1年間で19拠点に拡大しました。これは、コロナ禍で苦境に立たされていた飲食業界の再生を目的とした新しい試みであり、地域活性化や少子化対策にも貢献しています。
「あんグループ」は、独身証明書提出型の「サブスク婚活サービス」として、参加者に安心して出会える環境を整えています。入会には独身証明書の提出と、婚活イベントの司会を務める「縁長」との面談が求められます。これにより、トラブルの多いマッチングアプリとは異なり、安心して参加できる環境が確保されているのです。
手軽に参加できる婚活
30代の女性は「いつも行くお店で気軽にコンパに参加できるのがいい」と語り、40代の男性は「低コストかつ安心できる出会いは、まさに時代に合っている」と注目の声を上げています。これまでの婚活の概念を覆す、新しいスタイルが確立されたのです。
2024年の4月にスタートしたこのプロジェクトは、国の支援を受け、あっという間に全国に広がりました。具体的には、関西、関東、中部、沖縄を含む7つの都府県でイベントが行われており、焼き鳥や寿司、ステーキなど、さまざまな飲食店と提携しています。月額3,300円というリーズナブルな料金で、参加者は婚活イベントと飲食を同時に楽しむことができます。
持続可能なビジネスモデル
この取り組みは、地域のコミュニティの再活性化にもつながっています。飲食店のスタッフが「縁長」としてイベントをサポートし、新たな役割を担うことができます。地域密着型の運営が、参加者同士の交流を深め、効果的な集客や新たな収益源の確保へとつながっています。
成婚者からの声も続々と届いており、焼き鳥屋での自然な会話から始まった恋が、今では夫婦になったというエピソードもあるとのこと。最近では、成婚者の披露宴も開催され、縁長が結婚証人としても参加する場面が見られます。
社会背景にマッチした新潮流
現在、日本の婚姻件数は50万組を下回り、戦後で最も低水準に達しています。また、マッチングアプリでのトラブル相談も増加傾向にあり、飲食業界の休廃業率も上昇しています。このような社会背景において、安心できる出会いと地域コミュニティを再生し、飲食業界の新たな収益源を確保するのが「あんグループモデル」です。
事業を支える強力なパートナー
事業代表の松村寿代氏は28年の飲食店経営と13年の婚活事業の経験を持ち、一般社団法人日本LGBTサポート協会の設立・代表理事としても活動しています。全国に広がるこの新しい婚活モデルは、多くのパートナーシップに支えられ、さらなる展望を描いています。
今後は関西・関東での拠点拡大を目指すだけではなく、行政やNPOとの連携を強め、多様な出会い支援も行っていくとのこと。これからも「地域に根ざした、新たな婚活の形」として、全国にその輪を広げていくことでしょう。