フルタイム就労でも貧困に直面する母が語る切迫した実情
近年、日本の多くのひとり親家庭が深刻な資金不足に苦しんでいます。この記事では、特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパンが実施する食品支援「グッドごはん」を利用するひとり親家庭の実情を掘り下げ、社会全体での理解と支援の必要性を訴えます。
家庭の状況と生活実態
30代の友美さん(仮名)は、13歳の長男と5歳の長女を育てる一人の母親です。元夫との離婚後、フルタイムで契約社員として働きながら、日々の生活を支えています。しかし、その収入は手取りで月に16〜18万円ほど。児童手当などで6万円近く支払われても、生活は厳しく、多くの場合、自分の食事を諦めながら家族を養っています。このような状況は、同じような立場にいる多くのひとり親家庭で共通の課題となっています。
グッドネーバーズ・ジャパンが行ったアンケート調査によると、回答者の半数が世帯年収200万円未満であり、賃上げを経験した人はわずか20%に過ぎないことが明らかになりました。この状況に加え、現在の物価上昇は家計にさらに負担をかけています。
食品支援の重要性
友美さんが食事をお得に得られる「グッドごはん」の存在は、彼女とその子どもにとって一筋の光となっています。「特にお米やお肉がありがたいです」と語る彼女は、物価の高騰が家計を圧迫し、生活がさらに困窮している現状を感じています。お肉は生活費が許す限り、手に入れることができず、月に一度しか買うことができないのです。
また、友美さんは職場での条件改善を求めて交渉を行っていますが、日々の仕事に追われ、新たな職場を探す余裕がない状況です。このような中、食品支援「グッドごはん」に救われる生活は、彼女にとって欠かせない支柱となっているのです。
社会全体の視点が必要
友美さんは「ひとり親というだけで差別されることも多く、そういう現実があるから周囲にお付き合いを避けている」と明かします。普段は見えないところで、彼女たちが受けている圧力や偏見は、ひとり親家庭を支える人々にとって大きな悩みです。社会の理解と支援は欠かせません。禁断の話題にするのではなく、彼女たちの声を聞き、共に問題を考えていくことが求められています。
総括
フルタイムで働く友美さんたちが直面する困難は、決して彼女たちの個人の努力次第では解決できない問題です。経済的な困難や周囲からの偏見、そして社会の支えが必要な現実を理解することで、私たち一人ひとりが何ができるかを考えなければなりません。「この食品支援がなかったら、私たちはどうなっていたのだろうと考えます」と友美さんが語ったその言葉が、私たちへのメッセージです。共に暮らす社会をよりよくするために、行動を起こすことが重要です。本記事を通じて、一人でも多くの人がその現実に目を向け、行動するきっかけになれば幸いです。