コクヨの既存ビル再生計画の詳細
コクヨ株式会社(本社:大阪市)は画期的な不動産プロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、既存ビルを再生し収益化することを目指すもので、2025年3月14日付で東京都台東区蔵前にある空きビルを取得しました。この取り組みは、同社が策定した「長期ビジョンCCC2030」に基づき、文具や家具に留まらない新たな事業展開を進める一環として行われます。
狙いと背景
コクヨは2021年から「WORK & LIFE STYLE Company」としての役割を強化しています。特に、オフィス家具や什器に特化したファニチャー事業を通じて、地域経済の活性化に寄与する手法を模索しています。また、近年、高騰する新築建設費のために既存ビルの価値を向上させるニーズが増えているため、アセットバリューアップ推進室を設立しました。
このたび取得したビルは、江戸時代から近代まで多様な商いが行われてきた蔵前という地域に位置しており、アクセスの良さから注目されています。コクヨはこの土地の特性を生かし、働く場として魅力的な環境を提供することを目指します。
コクヨのビジョンとプロジェクトの進行
東京都心部の隅田川沿いにある蔵前は、長年日本の商いを支えてきた歴史を有し、近年はクリエイティブなものづくりや飲食店が集まる地域へと進化しています。コクヨは、こうした地域の特徴を踏まえた上で、ビルの価値向上を図る計画を進めています。
プロジェクトは、前段階として不動産の企画や建築リノベーションを行い、開業後は物件の運営モデルを構築する過程を含んでいます。また、請負やマスターリース、物件取得など多様な手法を用いて、空間のバリューアップを実現することが見込まれています。
取得物件の具体的な情報
具体的には、蔵前の対象物件の概要は以下の通りです:
- - 所在地:東京都台東区蔵前1丁目4-1
- - アクセス:JR総武線、都営浅草線浅草橋駅から徒歩5分
- - 敷地面積:425.81㎡(128.80坪)
- - 構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造・地上8階建
- - 延床面積:2,222.51㎡(672.30坪)
- - 築年:1998年
- - 取得日:2025年3月14日
これまでの成功事例
コクヨは多くの成功事例を持っており、その中でも「Creative Lounge MOV」は特に注目される空間です。このメンバー制ワークラウンジは2012年から運営されており、国や業種を超え、多様な人々が集まる場として機能しています。また、2021年には東京品川オフィス「THE CAMPUS」が、「みんなのワーク&ライフ開放区」として新たにオープンしました。これにより、地域住民にも開放された場所が増え、様々なイベントが行われるようになりました。
コクヨは、蔵前の空きビルを再生することで、地域をより活性化し、働く環境の質向上を図っていく意向を明らかにしています。これからの取り組みに注目が集まります。