老朽化する住宅、気になる場所はどこ?435人アンケート調査結果から見えてきた現実
株式会社AlbaLinkが実施した435人へのアンケート調査「家の老朽化が気になる場所に関する意識調査」の結果を基に、日本の住宅における老朽化問題の現状と課題を解説します。調査は2024年8月31日から9月14日にかけて、インターネットを通じて行われ、10代から60代以上の男女が回答しました。
老朽化が最も気になる場所:床、外壁、そして…
調査結果によると、老朽化が最も気になる場所は「床」でした。全体の約36%を占め、フローリングの剥がれや沈み込み、畳の劣化などが具体的な問題として挙げられています。2位は「外壁」(約21%)で、塗装の剥がれやヒビ、カビの発生などが多く報告されました。3位は「室内の壁」(約17%)で、壁紙の剥がれやカビ、ヒビなどが問題視されています。
さらに、ドア・建具、浴室、天井、屋根と続きます。浴室ではカビやヌルヌル感、設備の故障が問題視され、天井や屋根では、ヒビや雨漏りのリスクが懸念されています。外壁の劣化は、室内の壁の劣化に繋がるケースもあり、家の老朽化は部分的な問題にとどまらず、全体的な構造に影響を与える可能性を示唆しています。
老朽化への対応:放置、DIY、そして本格的なリフォーム
老朽化への対応としては、「何もせず様子を見る」が最も多く、約53%を占めました。その理由として、費用や業者への依頼の手間などが挙げられています。一方で、約20%の人がDIYによる修理・修繕を行い、約10%の人が応急処置を行っていることもわかりました。本格的なリフォーム・リノベーションを検討している人も約38%おり、老朽化への意識の高さと、その対応策の多様性が見て取れます。
老朽化による不安と不満:見た目、安全性、そして不便さ
老朽化によって感じている不安や不満としては、「見た目が悪い」が最も多く、約36%を占めました。清潔感の低下や、人に見せるのが恥ずかしいという声が多く寄せられています。2位は「家が壊れそうで怖い」(約24%)で、地震や台風などの災害への不安が強いことがわかります。特に古い住宅では、耐震基準を満たしていないケースも多く、居住者の不安は深刻な問題となっています。
「使い勝手が悪い」、「お金・手間がかかる」、「老朽化がますます進むこと」なども大きな不満として挙げられており、これらの問題は生活の質を低下させるだけでなく、精神的なストレスにも繋がっています。雨漏りや断熱性の悪さによる不快感も問題視されています。
今後の対策:リフォーム、リノベーション、そして住み替え
今後の対策としては、「リフォーム・リノベーションする」が約38%、「修繕・修理で済ませる」が約27%と、老朽化への対応は多様化しています。しかし、費用面の問題から、リフォームや建て替えを諦めている人も多く、老朽化問題は、経済的な負担が大きな課題となっています。住み替えを検討している人もおり、住宅問題の多様化が浮き彫りになっています。
まとめ:放置は危険、適切なメンテナンスが重要
本調査より、日本の住宅における老朽化問題は深刻であり、多くの住宅で何らかの問題を抱えていることが明らかになりました。老朽化を放置することで、安全上のリスクや健康被害、経済的な負担増に繋がる可能性があるため、定期的な点検と適切なメンテナンスが不可欠です。早めの対応が、安全で快適な生活を守ることに繋がります。