管理職と非管理職の休憩時間における違い
MENTAGRAPH株式会社が実施した調査によれば、管理職と非管理職のビジネスパーソンの間で、休憩の取りやすさや残業に対する認識に明確なギャップが存在することが示されています。調査は全国のビジネスパーソン1,800人を対象とし、主に仕事中の休憩について焦点を当てました。
休憩に対する満足度
調査の結果、全体で57.6%の人が休憩に満足していると答えました。この割合に役職による顕著な差は見られませんでしたが、不満を抱える層は全体の16.7%に達します。不満の理由として最も多かったのは「休憩を取る時間がない」でした。特に非管理職では、周囲の目が気になったり、上司が休んでいないと自分も休みにくいと感じる傾向が強いことが分かりました。
これにより、職場文化の中で「休むことに対するブレーキ」が存在することが浮き彫りになります。役職の違いよりも、周囲の目が休憩に影響を与えているという現象は、あらゆる職場で共通の課題と言えるでしょう。
昼休憩中の活動許容度
昼休憩中の行動に関する調査でも興味深い結果が得られました。「スマホをいじる」ことが最も許されている行為として84.3%が許容し、「仮眠」も73.0%が許可されていると答えています。ここでも管理職と非管理職の間にギャップがあり、仮眠に対しては管理職が慎重な傾向を示しました。
これは、職場における価値観やロールモデルが実際の行動に影響することを示しています。理想的には全員が平等に休憩を取るべきだと考えつつも、現実は「周囲の目」が重くのしかかる結果となっています。
残業の基準における認識の違い
次に、残業に関するアンケート調査では、「多い」と感じる残業時間に対する感覚の違いが明らかになりました。全体では、中間的な基準として30時間が選ばれる一方で、非管理職は20時間から「多い」と感じる人が24.1%に達しました。つまり、非管理職は管理職よりも早く残業を「過多」と捉えていることが分かりました。
このようなギャップは、同じ勤務時間に対しても、現場の感覚とマネジメントの感覚がずれる要因になっています。企業文化として休憩を取りやすくし、残業時間の認識をすり合わせていくことが、より健康的で効率的な職場環境づくりにつながるでしょう。
まとめ
今回の調査を通じて、休憩と残業に対する認識のずれが、企業の生産性や従業員のメンタルヘルスに響くことが明らかになりました。休憩の取りやすさや残業感覚を見直すことで、より良い職場環境を築くための第一歩を踏み出すことが期待されます。