物流業界における多様性推進とその教育の重要性
近年、物流業界は「ドライバー不足」や「2024年問題」といった課題に直面しています。特に、2030年には国内の32%の荷物が運べなくなるとの試算も報告されており、企業は顧客のインフラとしての役割を担い続けるために、時代に応じた対応が求められています。
橋場株式会社は、こうした状況下での多様性の重要性を認識し、社内でLGBT講習を実施しました。広報活動としても知られる3人組のYouTuber「ミュータントウェーブ」を招き、法人におけるLGBTの基礎知識を学び、経済的影響についても触れる幅広い内容が話されました。講習に参加するのは、20代から50代までの従業員であり、新しい視点を持った人材育成に取り組む姿勢がうかがえます。
橋場株式会社は、業界未経験者の採用に力を入れており、新卒社員はサッカー選手としてのデュアルキャリアを持つ人材を受け入れています。女性の雇用促進にも意欲的で、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが共に働く環境を整えています。このような多様な人材が揃う環境だからこそ、LGBT講習は非常に適した取り組みだと言えるでしょう。
実は、橋場には以前LGBTの当事者が在籍していた経歴があります。しかし、その当時は認識が薄く、社内の雰囲気は伝統的な運送業界そのもので、差別的な要素が存在しており、女性や未経験者への偏見も強かったのが現実でした。現代表の橋場基則氏が就任した後、彼は「女性は重いものが持てない」「経験がなければ使えない」という固定観念を打破し、性別や国籍を問わず優れた人材を迎え入れることを試みました。
「人間性の採用」を重視し、教育制度の見直しを進めた結果、組織の若返りが図られ、今では多様性に富んだ職場環境が実現されています。橋場氏はミュータントウェーブとの対談の中で、「性別や国籍による人材逃しは企業にとって大きな損失」と述べ、今後も継続して教育を行っていく意向を示しています。
また、業界全体が抱える労働環境の問題も無視できません。ドライバー不足の背景には「劣悪な労働条件に対する低い給与」があります。物価が高騰する中でも、顧客との料金交渉が難航し、職場環境の改善に向けた取り組みが進まない現実があります。コンプライアンス違反が横行し、求人をかけても応募があまり集まらない状況は、物流業界の深刻な課題です。
「このように物流が重要視される時代だからこそ、人に対する投資が必須です」と橋場氏は強調しています。橋場では、今後もLGBT教育やダイバーシティ関連の取り組みに注力し、多様な人材を受け入れる体制を更に強化していく方針です。多様性の推進は、企業の成長に不可欠な要素となるでしょう。
橋場株式会社について
1954年に設立された橋場株式会社は、百貨店向けの納品代行業を主なサービスとし、配送業務だけでなく貸し倉庫やお菓子の箱詰めなど、幅広い物流サービスを展開しています。顧客が物流部署を効率よく運営できるようサポートすることで、業界全体の発展に寄与しています。
公式HP:
橋場株式会社
代表取締役 橋場基則について
1987年生まれの36歳で、元アパレル業界に従事した後、橋場に入社。未経験者視点での改革を進めています。
Twitter:
@moto___h