高萩市の革新的バス『MyRideのるる』がJCOMMプロジェクト賞を受賞
茨城県高萩市が開発した呼出型最適経路バス『MyRideのるる』が、このたび2023年度のJCOMMプロジェクト賞を受賞しました。この受賞は、日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)の実行委員会によって選定されたもので、高萩市及び茨城交通株式会社、そして株式会社みちのりホールディングスの共同プロジェクトである『のるる』の独自の取り組みが評価された結果です。
『MyRideのるる』とは何か
『MyRideのるる』は人工知能(AI)を活用した最先端の公共交通手段です。このシステムは、利用者のリクエストに応じて、その都度バスの運行経路とダイヤを最適化する仕組みを採用しています。2021年から段階的な実証運行を実施し、2022年10月には本格運行に移行しました。今後2024年10月からは、運行時間の拡大とエリアの拡大も行われる予定です。
この取り組みの結果、利用者数は導入前の1.24倍に増加しており、地域の交通手段として定着しつつあります。『のるる』は、ただの交通手段ではなく、地域社会に根ざした新しいモビリティとしてますますその存在感を増しています。
JCOMMプロジェクト賞の趣旨
JCOMMプロジェクト賞は、都市及び地域の交通に関連する諸問題を緩和するための新しい取り組みを評価するものです。特に、交通の質的改善、渋滞の緩和や環境問題、公衆の健康増進に寄与することが求められます。また、その完成度や応用可能性、取り組み姿勢も評価され、受賞者には高い責任と期待が寄せられます。
JCOMM実行委員会からは、「『のるる』は、適合性の高い移動需要に応じた戦略的な導入が計られており、高い乗合率によって既存の路線バスよりも効率的な運行を実現している」との高評価がありました。この評価は、住民が自家用車から公共交通へと移行するきっかけを作り、外出機会の増加にもつながるという観点からも非常に意義深いものです。
今後の展望
高萩市と茨城交通、みちのりホールディングスは、2021年からの実証運行を経て、市民、商業施設、学校、病院など様々なステークホルダーからのフィードバックをもとに、今回の受賞を機にさらなるサービス向上に努めます。今後もより安全で便利な公共交通の提供を目指して進化していく予定です。
高萩市の公共交通の未来は『MyRideのるる』に託されており、地域の皆さんのご理解と協力のもと、その役割を更に深化させていくことが期待されています。地域と共に歩んでいく公共交通の新しい形に、ぜひ注目してください。