Acompanyとインテルの新たな挑戦
株式会社Acompany(アカンパニー)は、愛知県名古屋市を拠点に活動している企業です。この度、ハードウェア型秘密計算の分野で世界をリードするインテル社と共著で論文を発表しました。この論文は、データプライバシーを重視し安全なデータコラボレーションを実現するための技術に焦点を当てています。
論文の概要
論文のタイトルは「Securing Nested Attestation of Confidential Serverless Computing without Intra-Enclave Isolation」であり、インテルが提供するハードウェア型秘密計算機能『Intel® Software Guard Extensions(SGX)』を用いた新たな技術の詳細が記されています。この研究は、クラウド環境中での安全で柔軟なサーバレス実行を可能にし、ユーザーが『Intel® SGX』を活用したサービスを簡単に開発できるようにすることを目的としています。
Acompanyのプロダクトとその意義
Acompanyは、独自のデータクリーンルーム『AutoPrivacy DataCleanRoom』を開発し、ここでインテルの秘密計算技術を取り入れています。このプロダクトはプライバシーを優先しつつ、企業間での安心なデータ共有を実現しています。現在、Acompanyではこのプロダクトの汎用性を高めるために技術研究を行っており、任意のプログラムがサーバレスで実行できる環境の整備を進めています。
技術的な特長
今回の研究の主なポイントは、従来のネスト型アテステーションと呼ばれる手法の安全性を保ちながら、イナー・エンクレーブ・アイソレーションという分離技術を不要にする点です。この新しいアプローチは、インテルの拡張機能「KSS(Key Separation and Sharing)」を駆使して、安全なネスト型アテステーション機構を実現しています。これにより、実用性やユーザーエクスペリエンスの向上を図ることができました。
具体的な適用事例
アイクリスタル株式会社
名古屋市千種区に本社を置くアイクリスタル株式会社は、AIを用いて製造プロセスを効率化する「プロセス・インフォマティクス」をハードウェア型秘密計算環境で実施します。これにより、企業が持つ機密データを暗号化し、安全に共有しながら、製造プロセスの最適化に向けた検証を行っています。
名古屋大学医学部附属病院
また、名古屋大学医学部附属病院でも、多施設共同の臨床研究において医療データの安全な共有が実現されています。
今後の展望
Acompanyは今後もインテル社との連携を強化し、秘密計算における新たなサーバレス実行技術の普及に努める方針です。さらに、『Intel® SGX』や次世代の秘密計算技術を通じて、プライバシーを重視したインフラの進化に貢献していきたいと考えています。
ハードウェア型秘密計算とは
ハードウェア型秘密計算は、データを暗号化したまま処理を行える技術です。この技術は世界中で大きな注目を集めており、国内では特に政府機関や大手テクノロジー企業が導入を進めています。信頼性と安全性の両立を目指すAcompanyは、今後の発展に向けた革新を続けていきます。
会社概要
Acompanyの詳細については、以下の情報をご確認ください。
- - 社名: 株式会社Acompany
- - 代表者: 代表取締役CEO 高橋亮祐
- - 所在地: 愛知県名古屋市西区那古野2丁目14番1号なごのキャンパス
- - 設立: 2018年6月
- - URL: Acompany公式サイト
- - 事業内容: プライバシーDXを実現するデータ利用クラウド『AutoPrivacy』と、データ管理に関するコンサルティング