医療分野のセキュリティを強化する新たな連携の展望
今、医療情報のセキュリティは、ますます重要性を増しています。特に、精神科向けの電子カルテシステムにおいては、個人のプライバシーを守るための強固な認証が強く求められています。そんな中で注目を浴びるのが、株式会社ディー・ディー・エス(DDS)と株式会社ナイスの連携です。この二社は、セキュリティ技術の向上を図るべく、最新の認証ソリューションを精神科向け電子カルテシステム「ML-R Kirari」と組み合わせることを発表しました。
医療情報システムのガイドラインに対応
厚生労働省が策定した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」では、医療情報システムへのアクセスにおいて二要素認証を導入することが強く推奨されています。2027年には、新規導入や更新を行うすべての医療情報システムで二要素認証の採用が求められる見込みです。このような背景の中で、DDSの「万能認証基盤 Themis」や「多要素認証基盤 EVEMA」といった先端技術が、ナイスの「ML-R Kirari」に組み込まれることで、より強固なセキュリティ環境の実現が期待されています。
DDSの認証ソリューション
DDSが提供する「Themis」は、生体認証、ICカード認証、パスワード認証など、多様な認証方法を指向した万能な認証基盤です。医療現場に求められる高いセキュリティレベルに応じて、最適な認証方法を組み合わせることができます。そのため、ナイスの「ML-R Kirari」との連携により、よりユーザーフレンドリーで安全なログイン環境を実現します。
一方、「EVEMA」はパスワード認証を生体認証などの多要素認証に変換するもので、組織のニーズに柔軟に対応できる特性を備えています。これにより、医療機関はセキュリティと利便性を両立した環境を構築することが可能となります。
「ML-R Kirari」の特徴
ナイスが開発した「ML-R Kirari」は、精神保健福祉法に則った設計によるもので、医療情報の安全管理を徹底しています。情報の管理が煩雑な精神科医療に特化した機能を有しており、医療現場で即座に利用可能なシステムです。システムが要求するセキュリティレベルに応じて、解析と情報共有機能が充実しており、スムーズなチーム医療を支援する構成となっています。
より安全な医療ICT環境を目指して
DDSとナイスは、今回の連携を通じて、医療分野におけるICT環境の安全性を一層高めることに貢献します。個人情報が漏洩するリスクを最小限に抑えることは、医療現場において必須の条件です。両社はそれぞれの専門性を活かし、今後も新たな技術導入に努め、医療業界全体のセキュリティを高めていく考えです。
医療情報の管理は今後も厳格化される予想がされる中、DDSとナイスの連携は、その道を切り開いていく重要な施策の一つと言えるでしょう。