水道機工が新たなPFAS処理技術を展開し水道業界を変革
水道機工株式会社が国内水道業界への新しい技術の導入を目指し、2025年の広島水道展で実証実験を披露します。発表するのは、鉱物系吸着剤「Fluoro Sorb(フルオロ ソーブ)」を使ったPFAS処理技術です。この技術は、世界的な問題として注目されるPFASの除去に特化したものです。
PFASの現状とその影響
PFASとは、水や油を弾く特性を持つ有機フッ素化合物群で、身近にはレインコートや調理器具などに利用されています。しかし、その分解がほとんどなされないことから、環境への深刻な影響が懸念されています。特にPFOSやPFOAといった物質は、水道水中の濃度が2026年度より水質基準化される予定であり、より厳格な対策が求められる時代に突入しています。
「Fluoro Sorb」の特長
水道機工が目指す「鉱物系吸着剤 Fluoro Sorb」は、類似技術である「イオン交換樹脂」や「活性炭吸着剤」と比較していくつかの優れた特性を持ちます。Fluoro Sorbは他の物質の影響を受けにくく、PFASを選択的に効率良く吸着します。これにより高い除去性能を示し、吸着容量が大きいため交換頻度も少なくて済むのが特徴です。低コストかつ長寿命であるため、製造から廃棄に至るまでのコスト削減が可能になります。欧米ではすでに実績があり、その効果が確認されています。
2025広島水道展での展示内容
この度の広島水道展では、PFAS処理技術に加えて、さまざまな浄水製品を紹介します。沈澱池傾斜板「ハイブリッドラビリンス」や自力式自動調整弁「スイオー セルフオートバルブ」、非常時に対応した造水装置「スイオー セイフティU」といった製品が展示される予定です。また、災害支援活動に関する情報や、水道機工グループのO&M事業についても詳しく説明される予定です。興味のある方はぜひ当社ブース(ブースNo.8)にお越しください。
技術評価および水道業界の未来
技術力の評価に関しては、平衡吸着試験やRSSCT試験(Rapid Small-Scale Column Test)を通じて、PFAS用吸着剤の性能を測定しました。試験結果によると、鉱物系吸着剤は他の物質の影響を受けにくく、実際の水質下でも長寿命を示しています。特にPFOAに対しては、最も優れた性能を発揮することが実証されました。
水道機工の理念
水道機工は、創業以来約100年にわたって水に関する事業を展開し続けてきました。企業理念は「100年先も人と地球をつなぐ情熱で、笑顔あふれる環境を創造し、社会に貢献する」ことです。環境に配慮した技術の開発は、この理念のもと行われています。今後も新しい技術の導入を進め、日本の水道業界の発展に寄与していくことを目指しています。
この技術革新は、水道業界の形を大きく変える要素となるでしょう。ぜひ新たな水処理技術を体験し、環境保全の重要性を再認識していただきたいと思います。
【2025広島水道展の詳細】
- - 日程: 2025年10月29日(水)~10月31日(金)
- - 会場: ひろしまゲートパーク(広島県広島市中区基町5)
- - ブース番号: 8
- - 公式ウェブサイト: 水道展公式HP
この広島水道展は、国内水道企業が集まり、新技術や製品を紹介する重要な場となります。水道機工の技術革新が、どのように水道業界を進化させるのか、ぜひその目で確かめていただきたいです。