住友電工のRAG基盤
2025-03-07 13:52:12

住友電工が迅速に構築したRAG基盤、その全貌とは

住友電工が迅速に構築したRAG基盤、その全貌とは



住友電気工業株式会社、通称住友電工は、グループ全体にわたる大規模なRAG(Retrieval-Augmented Generation)基盤をわずか2週間という短期間で構築しました。この基盤は、住友電工が運営する情報システムであるQuickSolution®を活用しており、社内の膨大な情報を迅速かつ正確に検索し、生成AIと連携するためのものです。

RAG技術の活用とは?



RAG技術は、大規模言語モデル(LLM)が外部情報源から必要な情報を検索し、その内容に基づいて回答を生成する手法です。住友電工が構築したこの基盤では、ファイルサーバーや文書管理システムなどに保存されている数百TBの社内情報から、高精度な質問応答機能を提供しています。これによって、住友電工グループ内の約29万人が対話形式で必要な情報を収集でき、生産性の向上やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が実現しました。

2022年に登場したChatGPTの影響で、企業の生成AIの活用が進む中、住友電工もその流れに乗り、2023年10月にはChatGPTを安全に利用できる環境を整えました。この環境が整ったことで、「社内情報を生成AIで活用したい」というニーズが高まり、RAG基盤の必要性が明らかになりました。

QuickSolution®の役割



住友電工のRAG基盤の中核を担っているのが、QuickSolution®という純国産のエンタープライズサーチシステムです。このシステムは、社内に分散する情報を横断的に検索でき、文書の中身まで精密に確認することが可能です。その結果、必要な情報を抽出し、生成AIに回答を返すという機能を果たしています。

このRAG基盤は、以下の3つの特長があります。

1. 正確な回答: 正確な回答を提供するためには、正確な情報が必要です。QuickSolution®の高精度検索により、信頼できる情報だけを生成AIに渡すことで、正確な回答が得られます。

2. ユーザーの権限管理: QuickSolution®はアクセス権に基づいて文書を横断的に検索・抽出できるため、分散した情報から適切な権限に基づく回答を可能にします。

3. セキュアな運用: 生成AIに質問内容を学習させない設計になっているため、個人情報や機密情報が漏洩するリスクを回避できます。

住友電工のRAG基盤は、国内の約4万人だけでなく、海外を含めた約29万人に利用されており、生産性の向上やDX推進などの効果を実感しています。これにより、情報探しの効率が大幅に改善され、ナレッジの有効活用が促進されています。

今後の展望



住友電工は、今後も生成AIの活用を広げ、RAG基盤の改善を進めていく方針を示しています。また、RAG基盤の情報源となるデータ対象の拡張も計画しています。QuickSolution®の機能を最大限に活用し、情報検索の効率化と社内ナレッジの有効活用を追求することで、競争力のある組織を目指しています。

このように住友電工は、技術革新を取り入れることで、未来に向けたビジネス基盤を一層強化しているのです。


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会社情報

会社名
住友電工情報システム株式会社
住所
大阪府大阪市淀川区宮原3-4-30
電話番号
06-6394-6751

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