障害者の「はたらく」を支える意識調査結果を発表：収入と体調配慮が重要

障害者のはたらく意識とその変化

パーソルグループ傘下のパーソルダイバースが実施した障害者雇用に関する意識調査の結果、障害者が「現在」と「今後」の働き方において最も重視している価値観が明らかになりました。調査対象者は359名で、主に収入の向上と障害や体調への配慮が重要視されています。ここではその詳細を見ていきます。

調査の背景と目的

2023年の改正障害者雇用対策基本方針に基づき、企業は雇用の質向上に取り組む必要があります。这に伴い、パーソルダイバースは障害者の働く意識が社会や企業の変化にどのように影響を受けているのかを探るため、調査を実施しました。

重視される価値観

調査によると、障害者が「現在」重視していることはトップが「収入の向上」で31%を占め、一方「今後」重視されることも同じく「収入の向上」で続いています。さらに「障害や体調への配慮を重視し、無理せず働き続けること」が29.9%で、どちらの時期でも上位にあります。

働き方に求められる行動

データに基づけば、今後大切にしたい行動として「周囲との良好な関係性の構築」が61.8%で最も高く、次いで57.7%が「勤怠を安定させて働くこと」を選びました。これは障害者の職場での安心感を反映した結果と考えられます。加えて、企業に期待することとして「障害に対する理解と配慮」が66%で高く、働きやすい環境の必要性が示唆されました。

就職・転職活動における課題

障害者が就職・転職活動で直面する不安要素としては、66%が「給与・待遇面の条件が合うかどうか」を心配しています。さらに、自身に適した求人が少ないことが59.3%という結果も見られました。これに対して、支援サービスに求める希望が78.8%が「自分の希望や条件、特性に合った仕事を紹介してくれる」ことであることも興味深い点です。

調査結果の考察

パーソルダイバースのキャリア支援事業部ゼネラルマネジャー木田正輝氏は、調査を通じて収入や体調への配慮が障害者の働き方において極めて重要であることを再確認しました。障害があろうとなかろうと、心身ともに安心して働ける環境を求める声は共通であり、企業活動への貢献という観点からも、障害者を一人の人材として適切に理解する重要性が強調されています。

未来の働き方について

企業側も障害者の特性や強みを理解し、柔軟性のある雇用環境を整えることで、双方が相互理解に基づく良好な関係を築くことが求められています。今回の調査は、パーソルダイバースが今後も多様な障害のある方が安心して働ける環境づくりを推進し、より良い就職機会を提供していくための貴重なデータを提供しています。障害者の皆さんが自身の能力を最大限に活かせる職場環境を実現し、市場でもっと必要とされる人材になることが期待されています。