国際交流員向けに日本語文章作成の研修を実施
11月6日、神奈川県横浜市のワークピア横浜で、JETプログラムの国際交流員(CIR)を対象とした「より読みやすい、より分かりやすい日本語文章の書き方」研修が行われました。この研修は、官公庁や自治体職員向けの研修を専門に行うオフィスJ.corporationの村瀬順代表が講師を務め、一般財団法人自治体国際化協会(クレア)と総務省が共催しました。
JETプログラムとは?
まず、JETプログラムについて少し触れたいと思います。このプログラムは、外国の青年を日本に招致し、地方自治体で語学指導や国際交流活動を通じて、地域の国際化を推進する事業です。国際交流員として来日する外国人は、主に日本語能力試験N2以上のスキルを持っており、専門的な活動を行うための基礎的な日本語能力を備えています。
「分かりやすい公用文」の重要性
研修の中では、外国人参加者が感じる日本語文書への戸惑いや、公式な文章に関する理解度の向上が重要なテーマとなりました。非日本語圏から来た交流員たちは、時に公用文の特異性や微妙なニュアンスによって混乱を覚えることがあるため、より理解しやすい文書作成が求められるのです。
この研修は、1991年に設立されたオフィスJ.corporationが多数の自治体での指導経験を元に構築されており、効果的な公用文作成技術を国際交流員に伝授することを目的としています。村瀬代表は、職員向けに実践的な文章作成講座を長年提供しており、その知識をもとに交流員に対する指導が行われました。
参加者の真剣な姿
この研修には、36カ国から400人以上の国際交流員が参加しました。彼らは熱心にスクリーンの投影資料を見つめ、真剣な眼差しで講義に耳を傾けています。講義の内容は、公用文作成における日本特有の背景や、一般的な文書のルール、役所と民間の文書作成の違いなど、多岐にわたりました。特に、適正な文章の長さや句読点の距離、漢字の使用比率といった具体的データが提供されると、参加者たちから興味深い反応が寄せられました。
文書作成の重要なルール
以下は、講義の中で特に注目を集めたトピックの一部です:
- - 文書事務の重要性
- - 一つの解釈しかない文章づくり
- - 主語の位置による混乱の防止
- - 文章の平均文字数や漢字率の適正値
- - 読者に対する配慮について
日本文書の特異性や明確な文章作成に向けたルールについて学ぶことは、交流員たちにとって新しい発見となったようで、学びの多い時間となりました。このような講義は特に、異文化間での理解促進を図る役割を果たす上で重要です。
働き方改革との結びつき
村瀬代表は、今回の研修が日本の行政職員の文章作成においても有意義であると述べました。「より分かりやすい文章の作成は、業務の円滑化を図るために非常に重要です。日本人でも外国人でも、これらのテクニックは役立つものです」と語り、文章を分かりやすくすることが働き方改革にも繋がるとの信念を表明しました。
研修終了後も、参加者間には活発な意見交換が行われ、本研修が彼らの日常業務にどのように活かされるか、期待を高める結果となりました。