三谷産業が国立高専卒の初任給引き上げを決定
石川県金沢市に本社を置く三谷産業株式会社は、2026年4月入社予定の国立高等専門学校卒業生を対象に、初任給の引き上げを実施することを明らかにしました。この決定は、多くの企業が初任給を学歴によって差別化している中で、高専卒の人材に対する評価を見直し、積極的な採用を進める一環として行われます。
高専の重要性と三谷産業の取り組み
高等専門学校(高専)は、5年間にわたる実践的な教育を通じて、専門的な技術者を育成することを目的としています。三谷産業では、これまでにも高専の卒業生を高く評価し、技術職を中心に採用を行ってきました。そのため、大学卒業生に比べて初任給が下回る状況を改善し、高専卒の初任給が大学卒を超える水準となることを目指すことになりました。
初任給引き上げの目的
この初任給の引き上げは、国立高専卒業生にとっての就業環境をより魅力的にすることを目的としており、採用力の強化を図っています。具体的には、2026年4月1日から改定される予定です。これにより、若手技術者が安心して働ける環境を整えることが期待されます。
高専卒人材の獲得と定着に向けた新たな支援体制
三谷産業は、高専卒社員が中長期的に活躍できるように、キャリア形成の支援や教育プログラムの充実を図る方針です。特に、高専出身の社員からは待遇が改善されることへの期待が高まっています。また、全国の高専を訪れ、学生との対話を通じて技術職の魅力を発信する取り組みも進める予定です。
このような動きは、若手技術者を採用し、彼らが会社で成長するための土壌作りに貢献するでしょう。三谷産業は、単なる商社としてだけでなく、技術者たちを支える存在としての役割をますます重視していくとしています。
企業理念と今後の展望
三谷産業は、創業97年を迎え、ベトナムを含む国際的な商社として化学品や情報システムなど6つのセグメントで事業を展開しています。「創業90年を越えるベンチャー企業」としての姿勢を持ち続け、技術者の技能を活かし、企業としてのさらなる進化を目指しています。2025年3月期には、連結売上高が103,072百万円、連結従業員数は3,563名に達する見込みです。
このような背景の中で、三谷産業は国立高専卒社員の初任給引き上げを機に、技術者の育成・定着に向けた取り組みを強化し、今後の発展に繋げていく意向を示しています。若手技術者が安心して長く働ける環境が整うことで、企業全体の活性化が見込まれるでしょう。