第68回群像新人文学賞受賞作の発表
この度、第68回の群像新人文学賞の受賞作が発表されました。選考委員を務めたのは、小説家の朝吹真理子氏、島田雅彦氏、藤野可織氏、古川日出男氏、町田康氏の5名です。そして、見事選ばれたのは、神奈川県出身の綾木朱美さんの「アザミ」と、京都府出身の駒田隼也さんの「鳥の夢の場合」の二作品。どちらの作品も独特なテーマと表現で、今後の活躍が期待されます。
当選作の詳細
「アザミ」著者:綾木朱美
綾木さんは1995年に神奈川県で生まれ、現在29歳。東京大学大学院を修了し、現在は会社員として働いています。受賞の際には、賞状とともに賞金25万円が授与されました。
作品紹介
「アザミ」では、主人公の日常が描かれています。彼女は新聞の校閲を行い、日々のニュースに没頭し、夢を見たり頭痛に悩まされたりしながら、スマホの中で騒がれるアイドル「ミカエル楓」の名を見ることになります。日常の中に潜む現代的な問題を言語化し、リアルな感覚で表現した作品です。
「鳥の夢の場合」著者:駒田隼也
一方、駒田隼也さんは1995年に京都府で誕生し、30歳です。京都造形芸術大学で文芸表現を学びながら、書店員として働く彼にも賞状と賞金25万円が贈られました。
作品紹介
「鳥の夢の場合」では、「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」という主人公の言葉から物語が始まります。初瀬が蓮見の頼みに応じるまでの55日間を描いたこの作品では、夢の中の出来事と現実が交錯し、視点が移動することで視覚的な境界が溶けていく様子が表現されています。読者は、主人公の内的対話を通じて、深い哲学的な問いかけに触れることができます。
群像新人文学賞について
群像は1946年に創刊された文芸誌で、数多くの著名作家を輩出してきました。この賞は、新しい才能の発掘を目指しており、これまでに様々な名作を生み出してきました。これからも、多くの読者が群像の発掘する作品に期待を寄せることでしょう。
受賞者の今後に期待
今回受賞した二人の作家は、それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながらも、共に独自の視点で現代社会を鋭く切り取っています。これからの作品にも注目し、彼らの成長を見守りたいですね。
編集部からのメッセージ
受賞作品や作家への注目が集まる中、次回の第69回群像新人文学賞も原稿を募集中です。新たな才能がどのように表現されるか、今から楽しみです。
お求めの方は、群像の公式ウェブサイトをぜひご覧ください。今後も文学の世界から目が離せません!