台湾の半導体産業がAI需要を受けて飛躍的成長を遂げる

台湾の半導体産業がAI需要で急成長

近年、台湾の半導体産業は目覚ましい成長を遂げており、その背景にはAI需要の高まりがあります。2025年の全体の生産額は前年同期比22.2％増となる見込みで、特にAIサーバーや高性能計算（HPC）の需要がその成長を加速させています。業界大手のTSMC（台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー）は、年内に2ナノプロセスの量産を開始する予定であり、先進的なパッケージ技術の生産能力も拡大しています。これにより、日本やアメリカでの生産分散への投資も進むでしょう。

台湾の電子・半導体設備製造業の成長

2025年の1月から8月にかけて、台湾の電子・半導体設備製造業は前年比21.68％成長しました。この成長はAI半導体の需要が強く影響を与えており、特に半導体生産設備や部品分野では30.9％の増加が見られました。一方で、液晶パネル設備の需要は大幅に減少しており、これは市場の明暗を分ける要因となっています。また、日本やオランダからの輸入が急増しており、EUV装置など先端技術の導入が進んでいます。

芝普企業の化学品事業の進展

半導体向けの化学品メーカーである芝普企業（イーケム・エンタープライズ）は、環境配慮型の製品開発に力を入れ、HBM（高帯域幅メモリー）や先進的なパッケージ向けの受注を増やしています。自社開発の製品比率を高めることで、従来の代理販売中心のビジネスモデルから脱却を図っています。これにより、台湾内外の半導体メーカーへの供給も増加し、業界全体において重要な存在となっています。

インフィニオンの提携と技術革新

ドイツのインフィニオンは、台湾のデルタ電子やライトン科技と提携し、AIデータセンターおよびヒューマノイドロボット向けの電源モジュール事業を強化しています。具体的には、RISC-Vに基づく車載AI半導体や高効率な電源モジュールの共同開発に取り組んでおり、台湾を重要な拠点として位置づけています。AI技術や脱炭素化のニーズに応じた柔軟な戦略が求められる中、台湾による国際的な技術協力が益々進展することが期待されます。