高崎市が提案する新たな文化財保全型アーバンツーリズムの取組み

高崎市が提唱する文化財保全型アーバンツーリズムの取り組み

群馬県高崎市の建設会社である株式会社井ノ上は、文化財保全型アーバンツーリズムの新たな取り組みをスタートさせました。このプロジェクトは、高崎白衣大観音の建立100年に向けて、観音山と市街地を行き来する周遊観光を促進することを目的としています。

高崎白衣大観音の重要性

高崎白衣大観音は、高崎市が誇る観光名所であり、戦没者の慰霊を目的に建立された巨大な観音像です。高さ41.8メートル、重さ約6000トンを誇るこの観音像は、今年で88周年を迎え、さらなる保全が求められています。建設から100年が経過する2025年には、再建基金も立ち上げられたものの、修復資金はまだ不足している状況です。観光客の増加が期待される中、地域の魅力を伝え、観音の保全にもつながる取り組みが急務です。

アーバンツーリズムの新しい形

このプロジェクトでは、JR高崎駅を起点にした観光道を整備し、観音山エリアとのアクセスを促進します。特に、ナイトコンテンツの造成や少林山達磨寺との連携を模索し、高崎ならではの魅力を高めることで、持続可能な観光体験を提供することを目指しています。また、観光庁の「地域観光新発見事業」の採択を受け、地域の資源を最大限に活用した取り組みを進めています。

さらに、観光体験の促進に加え、シンポジウムやモニターツアーの実施も計画されています。多言語対応の予約サイトやガイドブックの制作も進めており、2025年から本格的に販売を開始予定です。

産官学民の連携による魅力的な観光体験

この取り組みには、株式会社井ノ上をはじめ、高崎市、一般社団法人高崎観光協会、東日本旅客鉄道株式会社、高崎商科大学、特定非営利活動法人キングオブパスタなど、様々な関係者が連携しています。これにより、観光客に対して多様な体験を提供し、観光収益の一部を文化財の保全に活用する仕組みが生まれます。

高崎の新しい観光名所に注目

高崎市は、これまで温泉や自然体験を重視した観光が中心でしたが、今回のアーバンツーリズムの提案により、必然的に市内外の観光地との連携が進むことが期待されています。これにより、北関東地域の観光のハブとなることで、観光業の活性化が図られます。

観光客が高崎の文化や歴史を深く感じながら、地域の魅力を享受できるこの新しいアプローチは、今後の高崎市の観光戦略の成功に寄与することでしょう。地域の魅力を最大限に引き出しながら、文化財の保全にも寄与するこの取り組みに、今後ますますの期待が寄せられています。