ミハル通信が新しいアンテナ製造工場を設立
神奈川県海老名市に位置する新たなアンテナ製造工場の設立により、ミハル通信株式会社は重要な一歩を踏み出しました。この工場は2025年10月1日から本格的な稼働を始め、V2X通信の導入に伴う市場の変化に敏速に対応する体制を整えました。
内製化による強化された供給体制
長年にわたり外部に委託していたパラボラアンテナの製造について、主要サプライヤーの撤退が影響し、供給の不安定さが懸念材料となっていました。これを受け、ミハル通信は内製化を決意。その結果、マイクロ波通信による固定伝送の部品をフルラインで提供できる能力が生まれました。これにより、安定した通信インフラの供給が実現し、業界における地位をさらに強化することが期待されています。
新工場の概要
新設された工場は、約828平方メートルの敷地に建てられ、平屋建ての倉庫を改装したものです。天井高は約7mあり、内部には4ラインの同時生産が可能な設備が整っています。また、クレーンも設置されており、高度な生産体制に対応できる環境が整っています。現在、8名の熟練技術者が従事しており、安定した生産を支えています。
技術力と生産能力
この新しい工場では、直径3mまでのアルミニウムを用いた背面構造の溶接組立が行われます。想定される生産能力は、月に最大20面程度で、特にアルミ溶接は製品の性能に直結する重要な工程です。熟練技術者による精密な作業が求められ、品質と安全性を最優先としています。国内でも最高水準の技術力を駆使し、常に高品質な製品の提供に努めています。
市場動向と事業の展望
近年、V2X通信の導入に伴って周波数の再編が進行中であり、また既存のアンテナの置き換え需要も急速に高まっています。特に5.9GHz帯の移行は今後加速するため、パラボラアンテナの新たな供給が欠かせません。この需要の変化に応じた製品供給体制を整えることで、ミハル通信は放送・通信業界での重要性を高めることが期待されています。
未来への展望
ミハル通信は2023年4月に古河C&Bからの事業継承を経て、導波管やレクトガイド製品を取り入れた新たな製品ラインナップの拡充を進めています。この流れを受けて、放送・無線事業に留まらず、新規顧客の開拓も同時に進行中です。将来的には高周波無線技術を活用し、有線・無線の技術が融合する時代に対応するための基盤を築いていく方針です。
社会への貢献
当社の使命は、地域と人々の生活を豊かにする持続可能なインフラを提供することです。これにより、地域の安全や健康、環境への貢献を目指します。映像伝送や放送無線技術をコアにし、様々な分野に進出することで、多様化するニーズにも応えます。これからも歴史ある鎌倉の地から、最新の製品とソリューションを提供し続けていきます。