病気や障がいのある子どもを支えるきょうだい応援団、1,000人突破の快挙
近年、病気や障がいを持つ子どもたちのきょうだいへの支援が注目されています。この分野における「シブリングサポーター」の活動が、ついに1,000人を超える規模に達しました。この喜ばしいニュースは、多くの家族に希望をもたらしています。
「シブリング」とは英語で兄弟姉妹を意味し、特に病気や障がいを抱える子どもたちのきょうだいを指します。家族支援の考え方が広まっていますが、特にこの「きょうだい」の視点はまだ十分に考慮されていないのが現実です。多くのきょうだいは周囲の注目が自分に向かわず、不安や孤独感、さらには罪悪感やプレッシャーに悩まされています。
彼らは「自分が病気にしたのかも」「周りから見向きもされないのは自分の価値がないからだ」といった思考に囚われがちです。これらの感情は、成長の過程で心に影響を及ぼし、大人になってからの生きづらさにつながることもあります。また、保護者もきょうだいに目を向けられずに日々自責の念に駆られ、精神的に疲弊していく様子が見受けられます。
この問題に応えようと、NPO法人しぶたねは2003年から活動を始め、2016年から「シブリングサポーター研修ワークショップ」を開催してきました。このワークショップは、医療者を対象に、きょうだいのための支援を行うための知識や心構えを学ぶ場です。およそ5年間で32回開催され、全国に新たなきょうだい支援活動が広がるきっかけとなりました。
2021年には、香川県の医療的ケア児等支援センターでの研修を通じ、シブリングサポーターの修了者が1,000人を越えました。これにより活動が行われた都道府県も24に達し、47都道府県での活動を目指す道のりが続いています。今年度は、茨城県をはじめ、大阪や北海道、静岡、新潟、神奈川、沖縄などで研修が予定されており、支援のネットワークをさらに広げる予定です。
「きょうだい支援」は、単なる支援活動ではなく、その背後には多くの子どもが抱える感情が再認識されています。全国には20万人以上の難病の子どもが存在し、その隣で様々な感情を内に秘めたきょうだいがいるのです。安心して過ごせる場を提供し、同じ立場の仲間と出会うことで、彼らが「自分も大事にされている」と感じることができるような取り組みを進めることが求められています。
シブリングサポーター研修は、知識とともに実際の支援に活かせる実用的なプログラムを提供しています。修了証バッジを受け取ることで、きょうだいはサポーターがその側にいることを実感し、保護者も相談できる相手がいるという安心を得られます。
NPO法人しぶたねは、病気や障がいに直面する子どもたちとそのきょうだいが当たり前に大切にされる社会を目指しています。設立から20年近くが経ち、より多くの支援が根付くことを願っています。共に支え合うことで、家族全体がしっかりと支援されていくことが期待されます。
ぜひ、興味のある方はシブリングサポーター研修ワークショップについて確認してみてください。詳細は
こちらをご覧ください。