福井の永平寺中学校で初開催された「香りの授業」
嗅覚に特化した新しい教育の形が、2024年10月4日(金)に福井県永平寺町立永平寺中学校で実施されました。これは、SCENTMATIC株式会社が主催する「香りの授業」という感性教育プログラムです。参加したのは、同校の3年生36名で、地域に根付いた特別な香りを通じて、自分自身の物語を紡ぐ体験をしました。
香りから生まれる創造の力
「香りの授業」では、町の郷土料理である「葉っぱ寿司」で親しまれる油桐の葉を使用。生徒たちは、香りに触れ、葉を擦ったり破いたりすることで、香りの変化を楽しむ場面からスタートしました。嗅覚を刺激される中で生まれるインスピレーションは非常に豊富であり、それを言葉に変換する作業に取り組むことに。
授業の後半では、完成した物語を互いに発表し合う時間を持ちました。この体験を通して、香りに対する感じ方の違いを感じ取りながら、自身の創造性を再発見する貴重な機会となりました。他の生徒たちの物語を聞く中で、参加者同士の笑顔と拍手が絶えず、非常に和やかな雰囲気が広がっていました。
東京大学と共同研究する香りの授業
セントマティックは、東京大学の農学生命科学研究科と共同で嗅覚研究を進めており、このプログラムはその成果の一環でもあります。香りと言葉を同時にインプットすることで、脳の様々な機能が活性化されることが分かってきており、「香りの授業」はその応用として非常に意義深いものです。
セントマティックの取り組み
セントマティックは、香りのデジタライゼーションを推進する新しいビジネスデザイン集団として2019年に設立されました。香りと言葉を組み合わせた体験を通じて、様々な業界に革新をもたらすことを目指しています。今回の「香りの授業」を通じて、地域の香りを体感することができる新たな顧客体験を提案しているのです。
生徒の感想と教育の広がり
授業を受けた生徒たちからは、香りを使った新しい表現方法について感動の声が上がりました。「普段は文章を書くのが苦手」と語る生徒も、葉っぱの香りを嗅いだことで次々と湧き出る言葉に驚いた様子。自分の創った物語を皆で楽しんでもらえたことが嬉しかったと語っています。これに対し、校長の林誠司先生も「生徒たちの表現力には本当に驚かされた」とコメント。
まとめ
「香りの授業」は、ただの教育プログラムではなく、地域の文化や歴史、さらには感性を豊かにする体験を提供しています。セントマティックは、今後も地域と連携し、さらなる可能性を模索し続けることでしょう。これにより、未来の教育における香りの役割が期待されます。