国産SAFの製造に向けた小田急電鉄と日揮HDの基本合意

新たな取り組み：国産持続可能航空燃料SAFの製造

小田急電鉄株式会社、日揮ホールディングス（HD）株式会社、株式会社レボインターナショナル、そして合同会社SAFFAIRESKYENERGYの4社は、2025年3月31日に国産の持続可能な航空燃料（SAF）を製造するための基本合意書を締結しました。この取り組みでは、廃食用油をSAFの原料として再活用し、環境への負荷を低減することを目指しています。

取り組みの背景

近年、環境問題が重要視される中で、航空業界でも持続可能な燃料の必要性が高まっています。従来の航空燃料よりも環境への影響が少ないSAFは、特に注目されています。小田急電鉄をはじめとする4社は、このSAFの製造と供給に向けて連携し、持続可能な未来を創造するための一歩を踏み出しました。

実施内容

4月1日から、小田急グループが運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」など50店舗や、飲食店「名代箱根そば」など49店舗から、年間約8.5万リットルの廃食用油が回収される予定です。これにより、年間約7万リットルのSAFが製造される見込みで、約200トンのCO2削減も期待されています。

また、小田急電鉄は「Fry to Fly Project」にも参加し、周辺地域での情報発信や廃食用油の排出事業者の紹介を通じて、SAFの理解を促進し、取り組みを拡大していく考えです。このプロジェクトは、家庭や飲食店からの廃食用油を集め、持続可能性のある資源循環を促進します。

技術と研究の進展

小田急電鉄では「WOOMS（ウームス）」という事業を展開し、廃棄物の収集と資源化を支援しています。これにより、廃食用油の収集業務の効率化を図り、環境負荷の軽減に努めています。4社の連携によって、さらなる技術革新と社会への普及が期待されています。

SAFの可能性

日揮HDとレボインターナショナルは、廃食用油のみを原材料とするSAFの供給を目指し、国内での大規模製造体制を構築しています。2000年代初頭から、SAFは最大80%のCO2削減効果が見込まれており、航空業界の脱炭素化に寄与する可能性が広がっています。プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構（NEDO）の助成を受けており、技術的な基盤も整備されています。