国際海運におけるゼロエミッション燃料船導入促進のための条約審議が続行中
2023年10月14日から17日まで、国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会の臨時会合が開催されました。この会合では、2050年までに国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出をゼロにするという国際的な目標を実現するための条約改正が議論されましたが、各国間で意見が一致しないため、最終的な採択には至りませんでした。次回の審議は1年後に予定されています。
この会合では、「2023 IMO GHG削減戦略」が採択されたことを受けて、国際的なGHG削減目標が掲げられています。この措置は、我が国が主導している燃料規制制度やゼロエミッション船に対する経済的インセンティブを含む条約改正案を基に進行中です。前回の会合ではこの改正案が基本合意に達し、最終的な採択を目指すために必要な準備が整えられていました。
しかし、今回の会合では各国の意見が収束せず、採択は見送られることになりました。今後は、再度の会合に向けての準備期間を設け、詳細なガイダンスや制度設計の検討が進められる予定です。この間、国際海運業界や各国政府、関連団体が協力し、GHG削減のための具体的措置を明確にしていくことが期待されています。
国際的な環境保護の観点から、海運分野でも持続可能性が一層求められています。ゼロエミッション燃料船の導入は、船舶の運用における環境負荷を軽減するための鍵であり、国際社会の連携がますます重要となる中、次回の会合での進展が注目されます。国土交通省も、この分野における国際的な協議を引き続き支援していく方針です。今後の動向に関しては、随時情報を更新していくので、引き続き興味を持って見守っていきましょう。