舞台『PSAPPHA』
2026-02-12 14:01:48
現代と古代の交差点で展開するミュージックシアター『PSAPPHA』
現代と古代の交差点で展開するミュージックシアター『PSAPPHA』
この春、音楽と身体が融合した新たな舞台芸術『PSAPPHA』がミュージックシアターとして登場します。世界的な打楽器奏者である加藤訓子と、振付家・ダンサーの中村恩恵が共演し、愛知県芸術劇場とロームシアター京都で公演を行います。また、東京のFSXホールでは関連公演『META XENAKIS』も予定されています。
『PSAPPHA』の魅力は、古代ギリシャの詩人サッフォーの物語と、20世紀を代表する作曲家ヤニス・クセナキスの革新的な音楽との融合にあります。二千年以上の時を隔てたこの二つの芸術が、舞台上で出会うことで、時代を超えた“声なき声”が呼び覚まされるのです。タイトル『PSAPPHA』は、クセナキスが作曲した打楽器独奏のための名曲にも由来しており、サッフォーの名を抱えています。強靭なリズム構造と建築的な音響空間を持つこの楽曲は、サッフォーの詩が秘める情熱や祈り、そして失われた言葉の残響を舞台上で可視化する役割を果たします。
演奏家である加藤訓子は、クセナキス作品の第一人者としての地位を確立しています。彼女の演奏は、単なる音楽の枠を超え、空間自体を彫刻するかのような体験を観客に提供します。彼女の打楽器に対するアプローチは、聴覚だけでなく視覚に働きかける色彩豊かな音響を生み出し、観客を魅了します。
一方で、中村恩恵が舞台に描くもう一つの詩は、彼女のダンスによって表現されます。振付家としても高く評価される中村のしなやかな身体は、サッフォーの内なる声を具象化し、音楽と緊張感を持って響き合う役割を果たします。彼女のダンスは、装飾的なものではなく、音楽とともに新たな“楽器”として機能し、観客に多次元的な体験を提供します。
『PSAPPHA』は、単なるコンサートでもダンス公演でもありません。音・身体・言葉の記憶が交差し、古代の詩情と現代音楽の構造美が出会うことで、観客は神話的な時間へと誘われます。
関連公演『META XENAKIS』
東京で上演される『META XENAKIS』では、加藤訓子が能楽師の中所宣夫と共演し、クセナキスの作品を中心に展開します。純度の高い音楽と能の身体性を通じて、クセナキスの音楽と彼が生涯憧れた“能”の根源に迫る内容となっています。舞台作品『PSAPPHA』と『META XENAKIS』が互いに照らし合うことで、クセナキスの創作宇宙が立体的に浮かび上がります。
国際コンファレンスも開催
この公演に合わせて、クセナキス生誕100周年を記念した新著『メタ・クセナキス』の刊行を祝うコンファレンスも実施されます。フランスのセンター・ヤニス・クセナキスの代表であるシャロン・カナック氏や、エディンバラ大学の名誉教授ピーター・ネルソン氏が招かれ、世界的な視点からクセナキスの芸術的遺産を再考する機会となります。
『PSAPPHA』と『META XENAKIS』を通じて、加藤訓子と中村恩恵のコラボレーションは、新たな音楽の地平を切り開いています。観客は、その形而上学的な音楽体験に満ちた舞台作品に触れることで、心に深く刻まれる記憶を持ち帰ることでしょう。今春、愛知と京都で展開されるこの舞台をお見逃しなく!
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特定非営利活動法人芸術文化ワークス
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