ギリアドが発表した新データが肺がん治療に希望をもたらす

ギリアド、肺がん治療の新たな展望を示す

2024年9月、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される国際肺癌学会（IASLC 2024）にて、ギリアド・サイエンシズが発表する新データは、肺がん治療において新たな光をもたらす可能性があります。今回のデータ発表では、複数の肺がんタイプとその進行段階における治療データが含まれ、特にsacituzumab govitecan-hziyが重要な役割を果たすことが期待されています。

新たな研究結果の概要

ギリアドは、未治療の進行または転移性非小細胞肺がん（mNSCLC）患者を対象にしたEVOKE-02試験の初期結果や、二次治療におけるEVOKE-01試験のサブグループ解析に関するデータを発表します。また、進展型小細胞肺がん（ES-SCLC）に対するTROPiCS-03試験の最新結果も発表の予定です。

mNSCLCとの関連性

特に注目されるのは、mNSCLCの一次治療におけるsacituzumab govitecan-hziyとペムブロリズマブ、カルボプラチンとの併用治療に関する結果です。非扁平上皮癌群および扁平上皮癌群において、PD-L1ステータスに関係なく、有望な有効性が示されています。これらの追加データは、mNSCLC患者における最適な治療方針の確立に貢献することが期待されます。

残された課題と可能性

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサー、マーダッド・パーシー博士は、「これらの発表がsacituzumab govitecan-hziyの有効性を裏付け、肺がん治療における新たな戦略の確立に寄与する」と述べています。特に、一次治療にsacituzumab govitecan-hziyが与える良好な影響は、現在進行中の第III相EVOKE-03試験にも影響を与える重要なデータとなります。

二次治療データの重要性

さらに、EVOKE-01試験では、抗PD-(L)1抗体薬に奏効しなかったmNSCLC患者のデータも発表されます。この群では、ドセタキセルとの比較が行われ、全生存期間の改善も見られました。このサブグループ解析は、将来の治療戦略を示唆する重要な知見になるでしょう。

ES-SCLCに対する期待

TROPiCS-03試験では、ES-SCLC患者におけるsacituzumab govitecan-hziyの治療効果に関する長期フォローアップデータが発表されます。このデータは、プラチナ製剤抵抗性を持つ患者群における新的な治療選択肢を提示し、未だ満たされていない治療ニーズに応えることが期待されています。