2019年から全国の小中学校に導入されたGIGAスクールパソコンの更新時期が近づき、その処分方法が課題となっています。環境問題への関心が高まる中、大阪市はリネットジャパンと連携し、GIGAスクールパソコンを小学生向けの探究学習教材として再利用するプロジェクトを開始しました。
このプロジェクトでは、大阪市が保有する故障したGIGAスクールパソコンを、小型家電リサイクル法の認定事業者であるリネットジャパンがデータ消去を実施し、探究学習教材として再利用可能な状態にします。小学校では、授業の中で、これまで「壊してはいけない」「大切に扱うもの」として認識されてきた端末を、自由に解体することで、リサイクルについて五感をフル活用し、新たな発見と学びにつなげていきます。
探究学習プログラムでは、2025年大阪・関西万博のテーマ事業「いのちを高める」と関連した環境問題をテーマに、子どもたちが自ら問いを立て、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周りの人と協働したりする学習を通して思考力、判断力、表現力を育成します。
プログラムの内容は、不用となった端末の解体作業などを通して、ごみやリサイクルへの関心を高め、その後は、子どもたちが主体的に学びを深めていく内容となっています。学習成果を発表する場として、クラゲ館でのワークショップ開催も検討されています。
リネットジャパンは、日本最大級のパソコン・リサイクル企業として、文部科学省のガイドラインに基づいたデータ消去を実施し、保護者からの問い合わせにも対応できるデータ消去証明書を発行することで、GIGAスクール端末の適切なデータ消去・処分をサポートしています。
このプロジェクトは、GIGAスクールパソコンの有効活用というだけでなく、子どもたちの探究心を育み、持続可能な社会への意識を高める取り組みとして注目されています。