アクプランタの新たな挑戦
株式会社アクプランタは、2024年9月に横浜市鶴見区のベンチャー支援施設に新しい研究拠点を設立しました。この移転により、さらに進化した環境での植物研究が可能になると期待されています。
アクプランタでは、2023年から東京科学大学と提携し、スキーポンという農業資材の活用法を研究してきました。スキーポンは、酢酸の作用によって植物の乾燥や高温への耐性を高め、収量や品質の維持、さらには水の使用量を減らすことを目的としています。
この研究のために整備した新しい「人工気象室」は、トウモロコシのような背の高い作物を育てるための最適な環境を提供します。この設備により、これまで難しかった行程もスムーズになり、実験の結果がより正確に得られるようになりました。
また、専門の分析機器も導入しており、植物内部の分子レベルでの変化を正確に把握することが可能になっています。入居時には、まず電気や水道の設備を整えてから、分析機器の設置へと進みました。その後も、生態系を考慮した空気の流れや温度調整を行い、卓越した研究環境を実現。これにより、様々な条件下で作物の生育を比較し、データを蓄積しています。
今後の計画としては、これまでのスキーポン関連の基礎研究や新商品の開発に加えて、人工気象室を用いたさらなる実験に挑戦していく予定です。この研究成果が農業にどのように貢献できるか、業界全体が注目しています。
スキーポンについて詳しく
「スキーポン」は、酢酸の効果を利用した新たな農業資材です。具体的には、酢酸が植物の耐乾燥性や耐高温性を向上させることで、作物の成育をサポートします。環境問題に対する意識が高まる中、スキーポンの有効性が高く評価されています。
酒類・食品など多様な業界での使用が広がる中で、アクプランタの技術がこれからどのように展開されていくか、注目されるところです。産業界のニーズを捉え、新たな市場へアプローチするための戦略も練られていることでしょう。
アクプランタの概要
アクプランタは、2018年に設立されたアグリバイオスタートアップで、創業者の金鍾明氏は、理化学研究所での研究活動からこの会社を立ち上げました。スキーポンの開発に成功し、現在では国内外での実証実験を行うなど、その影響力がじわじわと拡大しています。
現在、アクプランタは静岡、群馬、愛知、和歌山といった各県の農業団体や企業と連携して活動を進めており、数々のアワードも受賞しています。これからも農業の未来に貢献する様々なプロジェクトが展開されることでしょう。