土岐市の美濃焼
2022-02-02 13:00:06

岐阜県土岐市が目指す脱炭素美濃焼SDGsプロジェクトの全貌

脱炭素美濃焼SDGsプロジェクトのスタート



岐阜県土岐市が新たに立ち上げた「脱炭素美濃焼SDGsプロジェクト」は、陶磁器の名産地として知られるこの地域において、環境への配慮を重視した新たな挑戦を意味します。高温焼成による二酸化炭素の排出問題に対して、地域の陶磁器産業がどのように取り組もうとしているのか、その全貌をお伝えします。

脱炭素の現状と課題



美濃焼では、陶器の焼成に約1250℃、磁器には1300℃以上の高温が必要です。この高温処理にはLPガスを使用するガス窯が一般的ですが、当然のことながら、この工程からは相当量の二酸化炭素が排出されます。これが温暖化の要因となり、環境への影響は計り知れないものです。再現技術の進化にもかかわらず、二酸化炭素の完全除去は難しい現実があります。それでも何もしないことが解決策ではなく、このプロジェクトは持続可能な社会の実現を目指す一歩です。

焼成の重要性と煩雑さ



美濃焼の伝統的な焼成方法には、酸素を制限する還元焼成と、酸素を多く取り入れる酸化焼成があります。焼成によって釉薬の発色が大きく変わるため、焼成条件に対するこだわりは製造業者にとって避けて通れないテーマです。この強いこだわりと環境負荷の削減という一見相反する要素を両立させることが、このプロジェクトの核心です。

燃料消費率の低減に向けた最初の一歩



プロジェクトの初期段階では、「焼成条件の見直し」を通じて燃料消費率を削減することを目指しています。具体的には、各陶磁器メーカーの削減率に応じて、ステッカーを配布して評価し、他社との競争を促す方針です。示されるスパンは、-5%から-30%までの6段階に設定されています。

1400年の美濃焼の歴史



岐阜県土岐市は、良質な陶土と焼成用の木材が豊富に存在する地域で、約1400年にわたる陶磁器の歴史があります。初めに須恵器が生産され、その後、16世紀には日本の茶文化を支えた陶器が次々に生み出されてきました。現代に至るまで、260を超える窯元が多様な製品を市場に供給し、年間生産量は国内の約40%を占めています。

美濃焼の未来



この新しいSDGsプロジェクトを通じて、地域の環境意識の向上や持続可能な産業育成が期待されます。土岐市は、風光明媚な自然と伝統工芸が共存する場所として知られていますが、その魅力をさらに高めながら、世界にアピールできる陶磁器の産地として新たな価値を生み出していくことでしょう。美濃焼の未来が、環境に優しい方法で守られ、さらなる進化を遂げていく姿を楽しみにしています。

アクセス方法



土岐市へのアクセスは、車では中央自動車道の土岐ICを利用するのが便利です。また、電車の場合はJR中央本線の土岐市駅下車が最寄りの駅となります。旅行の際は、美濃焼の魅力に触れる機会をご自身でも体験してみてはいかがでしょうか。

会社情報

会社名
土岐市立陶磁器試験場・セラテクノ土岐
住所
岐阜県土岐市肥田町肥田287番地の3
電話番号
0572-59-8312

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