はじめに
相続における税務に関しては、専門的な知識が必要とされますが、基本的な知識を知っておくこともとても重要です。特に相続時精算課税制度は、贈与と相続を一体として捉えることで、相続人にとってさまざまな利点を提供しますが、同時に民法上の特別受益の考え方とは必ずしも一致しないという問題を抱えています。この度、VSG相続税理士法人に所属する税理士、高山弥生氏が、株式会社中央経済社の発行する税務専門誌『税務弘報』2026年4月号において、相続時精算課税の運用に関する実務上のポイントを整理した寄稿記事を発表しました。
寄稿のポイント
高山氏の寄稿では、相続時精算課税が適用される場面で生じやすい論点について解説されています。この制度の特徴は、贈与と相続をシームレスに扱うものである一方、遺産分割や相続計算においては、税務上と民法上の見解が異なることによる混乱の可能性についても触れています。具体的には、同じ贈与であっても、民法上の課題と税務上の課題では異なる処理が必要になってくるため、実務家や相続人が注意を払うべき点が多く存在します。
遺産分割と相続税計算の違い
寄稿の中ではまず、遺産分割と相続税計算の異なる部分について詳しく解説されています。たとえば、持ち戻しの免除がある場合や、持ち戻す財産の範囲、力価の評価時点などが挙げられます。また、孫への生前贈与や養子縁組を解消した場合の贈与についても検討され、不確実性を避けるためにどのように対処すべきかが示されています。
遺留分計算との違い
さらに、高山氏は遺留分計算と相続時精算課税の違いについても明確にしています。遺留分で扱われる財産と相続時精算課税に基づく持ち戻し財産には、評価の時点などにおいて異なる点が多々存在するため、注意が必要です。
逆縁の場合の考慮事項
逆縁の場合、特定贈与者以外に相続人がいる場合や、再承継相続人も亡くなっている場合など、ケースごとに法律解釈が異なることが指摘されています。そのため、相続に際しては慎重な判断が求められます。
おわりに
高山氏の寄稿は、これから相続時精算課税を活用しようと考えている方、または専門家として関わる方にとって、非常に有意義な内容となっています。相続に関する複雑な法的問題を正確に理解し、誤りのない申告を行うための参考として、是非一度ご一読いただきたい文献です。
掲載情報
- - 掲載誌:税務弘報(株式会社中央経済社)
- - 号数:2026年4月号
- - 発売日:2026年3月5日
- - 寄稿者:VSG相続税理士法人 税理士 高山弥生
- - 寄稿テーマ:特別受益と相続時精算課税
- - 購入方法:全国書店およびオンライン書店にて
執筆者プロフィール
高山弥生氏は、VSG相続税理士法人に所属し、東京税理士会立川支部に登録されています。税理士として多くの企業から信頼を寄せられる実績を持ち、分かりやすい説明に定評があります。著作も多く、相続や税務に関する多様な視点を提供してくれています。VSG相続税理士法人は、全国に拠点を持ち、相続に特化した専門家が在籍しており、依頼者のニーズに応えられるよう体制を整えています。