長崎原爆犠牲者を偲ぶ慰霊式典での総理の強いメッセージ

長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典

令和6年8月9日、長崎市で行われた原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、内閣総理大臣の岸田文雄氏が挨拶を行い、79年前の原爆投下による犠牲者に深い哀悼の意を表しました。

岸田総理は、被爆当時の長崎の様子を振り返り、一発の原爆によって街が焦土と化した事実を強調。市民の努力により、この街が美しく復興したことを称賛し、「乗り越えられない試練はない」と、平和の意義を伝えました。また、長崎や広島でもたらされた惨禍を決して繰り返すべきではないとの信念を示し、非核の世界を実現するための行動を誓いました。

この式典では、核軍縮の現状についても言及され、国際社会の分断が進んでいると指摘。核兵器のない世界という理想を追求するために、我が国が持つ使命の重要性を再確認しました。特に、核兵器不拡散条約（NPT）に基づく取り組みの強化を訴え、次回のNPT運用検討会議の成果に向けた意気込みも述べました。

岸田総理は、核兵器用の核分裂性物質の生産を禁じる条約（FMCT）の推進が急務であるとの考えを示し、この問題を解決するための地域横断的なグループに積極的に参加していくことを約束。日本政府が支援する「ユース非核リーダー基金」にも触れ、次世代のリーダーたちが被爆地を訪れる機会を設け、被爆の実相を伝えていく努力を続けるとしました。

被爆者への支援についても触れ、医療や福祉に対する取り組みを強化しますと約束しました。特に、原爆症の認定の迅速化を図り、被爆者の高齢化が進む中での支援の必要性を強調しました。

最後に、長崎市の市民に対し、国際文化都市としての発展を称えつつ、核兵器のない世界と恒久的な平和への誓いを新たにし、犠牲者の皆様への哀悼の意をあらためて示しました。岸田総理の挨拶は、長崎の地に再び響き渡りました。
この式典は、未来に向けた平和への希望を確固たるものにするための重要なステップとなりました。