プラスチック廃棄物を再利用する新たな取り組みが始動!
昨今、環境問題が深刻化する中で、持続可能なシステムの導入が求められています。特に、建設現場から排出されるプラスチック系の廃棄物が注目されており、その有効活用が課題とされています。今回は、鹿島株式会社が萩原工業株式会社、J&T環境株式会社と協力し、使用済みプラスチック梱包材を土のう袋に再生する実証事業を行ったことについて詳しくご紹介します。
廃棄プラスチックの現状と課題
建設現場においては、さまざまなプラスチック製の梱包材が使用されていますが、これらの多くは開梱後に廃棄されてしまいます。一般的に、プラスチックのリサイクルは難しく、特に汚れた状態での回収は品質に影響を及ぼします。従来の方法では、他の廃棄物と混ざって焼却処理されることが多く、実質的な再利用が進まない状況です。
共同実証の背景
鹿島、萩原工業、J&T環境は、環境に配慮した循環型経済の構築を目指して、このプロジェクトをスタートさせました。各社が持つ技術と知見を活かし、使用済みプラスチックから新たな価値を創出することを目的としています。特に、土のう袋の製造は、事故や災害時の緊急対応に欠かせない資材であり、その生産工程でプラスチックを有効に再利用できるかを検証しました。
リサイクルシステムの実証
実証は鹿島の特定の建設現場で行われ、まず、使用済みプラスチック梱包材を分別・回収しました。これらの材料をJ&T環境が再生ペレット化した後、萩原工業がそれを基に、再生ペレットと新しい原料を混ぜて土のう袋を製造しました。この結果、5万枚の土のう袋が連続的に生産されることが確認され、リサイクルの可能性が実証されました。
未来を見据えたサステイナブルな取り組み
このプロジェクトは鹿島が掲げる「鹿島環境ビジョン2050plus」にもリンクしており、2040年までに再生資源の利用率を100%にすることを目指しています。南極で実験された素材の再利用と同様、日本国内におけるプラスチックのリサイクルも重要な課題です。今後、3社はこの実証実験の成果を基に、さらなる製品開発を進めていく方針です。
環境への影響とコミュニティへの貢献
再生材を使用することで、バージン材の使用量を低減し、開発された土のう袋は、全国の土木・建築現場で試験的に利用される予定です。この取り組みは単にリサイクルの枠を超え、地域社会や環境への影響を最小限にしながら、持続可能な発展に寄与することが期待されています。
まとめ
鹿島、萩原工業、J&T環境の取り組みは、今後のリサイクルシステムのモデルケースとなりうるでしょう。サプライチェーン全体で連携し、循環型社会の実現に向けた一歩を踏み出したこのプロジェクトの進展に、今後も注目が集まります。